《7/1完結》F-to-L 4【N.K】 (ページ11)

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チュンチュン…とスズメが鳴く。

外からは容赦ない太陽の日差しが照り付ける。

あまりの暑さと腰の痛みに目が覚めた真夏の朝。

(……えっ、うそでしょ……)

隣にすやすやと眠る顔を見て全身に冷や汗がダーー…と流れた。

しかも

自分は何も身につけてなくて…。

床には、二人分の服が散らばっていて。

思わずブランケットを自分の方に手繰り寄せた。

昨日起きたことがウソではないと
目で見ても体のだるさでも分かるし、

やったことに関して後悔なんてものはないけど

今だけは。

今のこの現実だけはせめてウソであって欲しかった。

「……A…」

トロン、とした目が。

「おいで……」

甘い声が。

私を現実の世界へ引き戻す。

このクソ暑いのに汗一つかかないサラサラな髪に真っ白な肌がチラチラと私の目をたぶらかす。

「なんで……？なんでまだいるの…」

意識を手放した後の記憶が全くといっていいほどなくて。

可愛い言葉なんて一つも出てこない。

ただ何がどーなって今こーなってるのか
その理由が知りたかった。

「なんでって…Aが帰してくれなかったから」

……え？

「帰ろうとしたのに、Aが帰らないでってオレのこと唆したんだよ？んなこと好きな人に言われたら普通帰れないじゃん？」