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_*°37 ページ37

やってみな分からへんやん。
言うてみな、誰も結果なんか見えへんやん。



藤井先輩に電話して一足先に着いた、明らかに他とは違う雰囲気を出す家。
サイズもそうやし庭具とかも…



ローマ字でKamiyamaとかかれた表札の下、インターホンを押す。
返事は返ってこない。



けど…中でガタンと何かが動く音はした。



「神山先輩!Aです!」



勝手ながら門を開けて扉の前に立つと少しだけ開いていることに気づいた。
不用心にも程があるわ、鍵ぐらいかけな。



「お邪魔しますよ?大丈夫ですか…」



玄関を覗いた矢先にはもう
注射器が転がっていて。
隣には何か透明な液体が零れている。



「…神山先輩!」



広い。
扉がいくつもあり、開けては閉めてを繰り返した。
どの部屋も生活感はなかった。



一番奥の扉を開ければかろうじて目に飛び込んできたテレビとソファー。
あとは少しの観葉植物と…ローテーブル。



そのローテーブルとソファーの間に、黒髪が見えた。



「先輩!しっかりしてください!」



うつ伏せで、顔は左向き。
ただ寝ているだけだと言われたら納得も出来るくらい穏やかな顔をしてる。



そうやないことが分かるのは、周りに大量のカラフルな錠剤が落ちてるから。



教科書やテレビでしか見たことなかった物が、実物としてここにある。



「神山先輩!!起きて下さい!」



藤井先輩も来うへんし…
どんだけ遠いとこの神山さん家行ってんねん!



『……あー。なんでー?』


「かみ、っ」


『おんながおる、おんなやぁ笑』



あたしを知らんような口調。
子供みたいな口調。



バタンという衝撃と共に映ったのは天井と視線の焦点が合わへん神山先輩。
にいって笑うその顔は、今まで見てきたものと全然違う。



恐怖だけが全身を支配した。



『おれの、あいて。してくれる?いしきはとばんようにするからさ』



スッ…て目にかかる前髪に触れられた時、救世主の足音が聞こえた。

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カジャ(プロフ) - 智マロさん» 続編が決定しましても、水面下で動きますので気長に待っていただけると嬉しいです笑 応援の言葉もありがとうございます。 (2019年2月5日 21時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
智マロ(プロフ) - ありがとうございます!!新作の方も頑張ってください!! (2019年2月2日 14時) (レス) id: 81e3e0ac1c (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 智マロさん» 今のところは考えてないですが…前向きに検討してみます! (2019年2月2日 10時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
智マロ(プロフ) - すごく今更なんですが、これの小説の続編書いていただけないでしょうか?? (2019年1月31日 17時) (レス) id: 81e3e0ac1c (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 小鞠さん» 恐れ多いです本当に…プレイリスト、ということですが理由をお伺いしてもよろしいですか?作品一覧では見にくいということでしょうか…? (2019年1月30日 20時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2019年1月2日 12時

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