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_*°38 ページ38

重みが体から消える。
あたしの目の前に立つのは、息の切れた藤井先輩。



藤「…何、しとんねん……」


『りゅうせい。じゃましやんといて』



藤井先輩のことは分かるのに…
あたしは分からへんねんや。
心を冷たい風が吹き抜けていく。



藤「もうやめろ。また量増えとるやんけ」


『むりや、おんなのこがおるもん。おれはきもちようなりたいだけやねん』


藤「お前とやったやつ全員記憶飛ばして二度と会わんようになったやろ!」


『それでも、そこにいてくれてるやんほら』


藤「…忘れたんか?この子が唯一泥にまみれてなかったって、可愛かったって言うたこと…!!」



その瞬間、まるでロボットかと思うくらいいきなり首ががくんと下がった。
データの書き換えでもされるように…



『あぁ、そうやな。でも俺に会いに来てくれへんようになった』


『会えへんならもう、学校行ったって意味ないし。泥だらけやし。うるさいしだるい』



最初に見た瞳と同じ。
生きてるのか、それすら分からない闇の中に染まっている。



『好きってどういうことなんかも初めて知ってさ。ずっと側に居たいって、Aちゃんもそう思ってくれとるもんやと思ってた』


「思ってますよ」


『嘘や』


「嘘やない!」



前の藤井先輩を押し退けて、死んだ目をする神山先輩を抱きしめた。
硬直したのが服越しにでも分かる。



あたしは、あなたを助けられる。
時間は空いてしまったけど。
もう一回光になりに来た。



「ごめんなさい。迷ってました。真実を知って…どうしたらいいか分からんかった。でも今ここにいる。
それがあたしの答えです」



泥の世界はもう終わりにしよう。
花を見て、虹を見て、スイーツを見て。



綺麗やって笑うあなたが見たい。
薬ではなく、自分の目で。



「好きです。ともくん」



藤井先輩が背を向けて部屋から出ていくのが気配で分かった。
気を使わせてすみません。



『俺、俺は…』

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カジャ(プロフ) - 智マロさん» 続編が決定しましても、水面下で動きますので気長に待っていただけると嬉しいです笑 応援の言葉もありがとうございます。 (2019年2月5日 21時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
智マロ(プロフ) - ありがとうございます!!新作の方も頑張ってください!! (2019年2月2日 14時) (レス) id: 81e3e0ac1c (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 智マロさん» 今のところは考えてないですが…前向きに検討してみます! (2019年2月2日 10時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)
智マロ(プロフ) - すごく今更なんですが、これの小説の続編書いていただけないでしょうか?? (2019年1月31日 17時) (レス) id: 81e3e0ac1c (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - 小鞠さん» 恐れ多いです本当に…プレイリスト、ということですが理由をお伺いしてもよろしいですか?作品一覧では見にくいということでしょうか…? (2019年1月30日 20時) (レス) id: 94c6d0cc26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カジャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734  
作成日時:2019年1月2日 12時

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