1番に君のもとへ ページ6
しんとして私は深呼吸して合否通知を取り出せば、そこに書いてあったのは合格の二文字だった。
｢｢おめでとう！！！｣｣
とみんなに言われ、ありがとう！と返して行けば瀬呂と上鳴と三奈に行ってこいと背中を押された。
｢今日はお祝いだぁ〜！｣
「大学入ったら可愛い子紹介しろよな！」
と言ってくれるクラスメイト、私は寮を飛び出し合否通知を持ってB組の寮に走った。私が唯一受験することを話していた相手、心操の元に全力で疾走する。別に好きとか、そんなんじゃないって私は思いたいけど、私も彼も夢がある限り自分の想いなんて閉じ込めなければ行けないってずっとずっと思っていた。
好き、なんて無責任な言葉私には到底言霊にすることなんてできない。
ふと相澤先生とすれ違うけれども、ごめん先生。今だけは私欲に走らせてほしい。
そんな思いでB組の寮にお邪魔することになった。
｢あれ、逆先じゃん。どうしたの？｣
私が寮に入れば一佳ちゃんが不思議そうに私に聞く。予め連絡すれば良かったななんて思いつつ、私は一佳ちゃんに｢ごめん、心操って今共有スペースにいたりする？｣と聞けば、一佳ちゃんは見に行ってくれた。
とりあえず寮に着いた連絡を私もしてみたら、駆け足で私のところに来てくれた。
「結果どうだったんだ？！」
「お、落ち着いてって。なんか高校受験の時思い出すね」
｢まあ落ちるとかは思ってないけど。どうだったんだ？」
「合格だよ。」
そういえば彼は少しほっとした顔で私の頭を撫でた。
｢よく頑張ったな。｣
「ヒーローとしては私が一歩も二歩も遅れちゃうことになるけどね。」
｢逆先なら大丈夫だろ｣
｢ありがとう。｣
心操の後ろをちらりと見れば一佳ちゃんが親指をたてて口パクでおめでとうと言ってくれた。私はなんだか面白くて私も口パクでありがとうと返した。
「で、いつまで私の頭を撫でてるの。」
｢あ｣
｢それじゃあ先生無視して来ちゃったから、戻るね。卒業まであと少しだけどお互い盗めるものは盗んでヒーロー活動頑張ろう！｣
「そうだな。また」
彼は私に手を振って見送ってくれた、この時の温もりを私はきっと忘れられないだろう。
ヒーローという道を目指す人間が寄り道をするのは、悪いことなのだろうか。いや、私は後悔していない。
あなたのその行動ひとつで私がどれだけ動揺すると思っているの。→←合否通知
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作者名：爆蜜柑 | 作成日時：2024年2月2日 18時
