「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ20)

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ヒーローとしてはまだまだ未熟だページ20

物間は傀儡を数体出し、心操はそのうちの一体に1番の重傷の男の子を預けて捕縛布に手をかけた。

「まあそいつらの個性は微妙だしなぁ、その代わりに美味しい獲物がノコノコ出てきたからな。」
「...個性を奪う個性か？」

心操は今多分個性を使っているが、ヴィランは勝ち誇った顔で2人を見ている。心操の個性を知っているのか。それは随分と厄介だなぁ。私は手をかざして個性を使おうとするが、上手く視界が定まらない。

「なぁんだ対策済みか。じゃあこれでどう？」
「傀儡如き.......」

ヴィランが固まった、きっとどこかで心操の個性をコピーしていたのだろう。よし、今なら...！

「逆...転！！！」

私のお腹を刺すような痛みはすうっと消えていった。が、突如痛覚がヴィランに襲いかかる為、洗脳は解ける。

「嘘だろ...、心操早く！！」
「わかってる、！」

捕縛布を使うもヴィランは羽で自分を浮かせ避ける。しまった、それに今回かけたのって心操じゃない。

「いってぇな...っ」

ヴィランから羽が無くなり膝から崩れ落ちる。

「自分が付けた傷の痛みくらい覚えてなよ。」

心操はいつものように私を捕縛布で縛り上げる。これは学生時代、彼か相澤先生とじゃないと出来なかった拘束技だ。

「逆転！！」

するとヴィランは心操の捕縛布の中に収まった。この技は結構痛いし、しんどいけどヴィランを気絶させたり拘束させたりするのには持ってこ...い。

バキッ

私はヴィランにお腹を何かで殴られたようだった。肋2本くらい持ってかれたじゃんこれ...、最悪だ。彼の前で吐くだなんて。それに中学生達にも情けない姿見せちゃってるなぁ。まあでも、彼らに傷を付けさせずに討伐できたから、良しとしよう。

私はそのまま瞼が落ち、気を失った。