2 ページ26
.
私の希望で、子供が出来るまでは
秘書業を続けさせてもらうことにした。
本当は秘書が奥さんだなんて
仕事もやり辛くなるだろうに
「他の会社で働かせるのだけはありえない」
その社長様の独断と偏見で私が続ける事になった。
「社長、ゴールデンウィークのスケジュールは本当にこのままでよろしいのですか？」
仕事人間の彼にしては珍しく
かなりの連休を希望している
「当然だ」
凄い勢いで書類をめくり
仕分けしながら答える
「確かにその仕事のスピードだと問題はなさそうですが…一体どういう風の吹き回しなのでしょう？」
「旅行」
「はい？」
「新婚旅行。」
何でもない事のように
手を止めずに淡々と話す。
え？新婚旅行？
私何も聞いてないけど。
「聞いてない！」
「業務中だぞ、敬語はいいのか」
書類から目を離さずフッと笑う社長
あ。
「…聞いてません」
「今言った」
「…どこに行くんですか？」
「お前の好きな食べ物が沢山ある所だ」
パンケーキ
アサイーボウル…
「……ハワイ？」
やっと手を止めた社長様
顔を上げて微笑んだ
「たらふく食べろ」
「やっ…たぁ！」
業務中だと言う事を忘れて
叫びそうになるのを必死で抑える
「ホ、ホテルはどこですか？」
「ロイヤルハワイアン」
あ、憧れのピンクパレス…！
「飛行機取れたんですか？」
「ファーストを抑えてある」
クラリ。
目眩がした。
「私…ファーストクラスなんて初めてです！」
「初めてじゃないと言われたら前の男を潰すところだった。」
いや、そういう意味じゃなく！
でももうテンションが上がりすぎて
そんな事どうでもいい。
「これからのお前の初めては全部俺だ。」
ハッと笑う社長。
「そんなの…当たり前ですよ…」
「向こうで不機嫌になっても一人で外に飛び出すなよ。見つけるまでに連れ去られる可能性があるからな。」
「そんな、人を家出少女のように……あ。」
そういえば、社長ってなんであの時
私の実家がわかったんだろう？
「なんだ？」
「あの時はどうやって見つけてくれたんだろうって思って…」
「知りたいか？」
「まぁ…」
ニヤニヤとする社長。怖い。
「警察のサイバー係に調べさせた。金を握らせれば何でもする奴を何人か知ってる。」
「…………」
私の反応を見て
あっはっはと笑う社長に
私の頬がピクピクと動いた。
この人から逃げれる訳がないのだと
改めて理解できました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4477人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
halohalo976(プロフ) - 数年前に大好きで読んでいて、今でも忘れられずふとまたこの作品を読みたいなと思ったのですが...サイトに飛んだのですがページがないようで...他の作品も大好きなのでぜひとも公開して頂けないでしょうかㅠㅠ生きる活力をください..._:(´ཀ`」 ∠): (2021年10月5日 1時) (
レス) id: 66d856abd6 (このIDを非表示/違反報告)
叶多(プロフ) - サイト飛んだんですが、ページがないみたいで。すごく好きな話だったんでまた読みたいんですが(><) (2020年2月7日 2時) (レス) id: 6f8ef4ca07 (このIDを非表示/違反報告)
のんちー(プロフ) - もう更新しないのですか？続きが気になってます。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: bf0265463f (このIDを非表示/違反報告)
Dollar - シウちゃんを愛する気持ちと一生添い遂げようと思いました。笑笑 (2018年1月2日 22時) (レス) id: 44faffd26a (このIDを非表示/違反報告)
苺於(プロフ) - 初めまして！ほんとにこのお話大好きです！もうヤバイです！(語彙力…) 受験勉強そっちのけで読み込んでしまって気づいたら半日終わってました(T_T) シウちゃんまじで好きすぎる。器のでかさ半端ないっす。もはや尊敬のレベル！かぴさんのファンになりました！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 759e9cc09f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぴ
| 作成日時：2015年4月3日 12時
