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切れ切れに行き先を告げると不愛想な運転手が返事をする。
光輝は車の中で懸命に呼吸を整えた。
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目的地に着くと電子決済でさっさと支払いを済ませて乗り込んだ時と同じように車を飛び出す光輝。
オートロックの正面玄関の暗証番号はもう手に馴染んでいて
光輝は建物の中に駆け込んだ。
エレベーターが一階にいないのを見るとそのまま階段に向かって掛け上がる。
目指す場所は9階。
ノンストップで掛け上げると9階のドアを開ける頃にはまた息が切れて光輝は倒れそうになった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ふらつきながらまっすぐある部屋に向かう。
その玄関の暗証番号も手に馴染んでいるが呼び鈴を押した。
反応がない。
呼吸を整えながらもう一度呼び鈴を押した。
こんな時間に外出しているはずはなく
2度3度と呼び鈴を押す。
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インターホンでの返答ではなくドアが開いた。
「こんな時間にわる、」
玄関の中に入ろうとしていた足と言葉が止まった。
玄関を開けたのは彼女ではなく
彼女のマネージャーだった。
「・・・・夜分に、すみません」
MG「・・・」
「話を・・・させて頂けませんか」
ドラマの時顔なじみになっていた女性マネージャーは怒っているというより苦しんでいる表情だった。
「お願いします・・・」
光輝は女性マネージャーをまっすぐ見つめていた。
小さなため息をついたマネージャーは靴を履いて
MG「私はこれで失礼します。
あの子は今日も撮影がありますので・・」
最後まで言わず光輝に場所を譲ってくれたマネージャーは静かに出て行った。
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息を整える為に佇んでいたのか呆然としていたのか
長い間玄関にいたのに彼女は出迎えに来なかった。
光輝がゆっくりと靴を脱いで中を進む。
いつも彼女と一緒にテレビを見るリビングに明かりがついていたが姿はなく
光輝はベッドルームへ行った。
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灯りの付いていないベッドルームのドアは開け放たれていて
光輝はベッドに座って床を見つめている彼女を見つけた。
「・・・チェヨンァ」
呼びかけてみたが彼女は動かない。
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〜NAE〜(プロフ) - rikoさん» rikoさんこんばんわ^^ とってもありがたいお言葉ありがとうございます!!!またしても難産期突入で頭抱えながらですみません><。これからもよろしくお願い致します!! (2021年7月19日 23時) (レス) id: ff9e46a691 (このIDを非表示/違反報告)
riko(プロフ) - 更新お疲れ様です!お話ワクワクしながら読んでいます。続きも楽しみです! (2021年7月18日 23時) (レス) id: 7d25cd713b (このIDを非表示/違反報告)
〜NAE〜(プロフ) - Sachiさん» Sachi様、温かいお言葉ありがとうございます><。頑張りますT^T (2021年7月14日 23時) (レス) id: ff9e46a691 (このIDを非表示/違反報告)
Sachi(プロフ) - 続きがすごく気になります。無理せずゆっくりでいいので、更新楽しみに待ってます。 (2021年7月13日 7時) (レス) id: 36ee1af249 (このIDを非表示/違反報告)
〜NAE〜(プロフ) - たるぎうゆさん» 美味しそうなお名前のたるぎうゆさん、コメントありがとうございます!有り難いが過ぎるお言葉ほんとうにありがとうございますT^T (2021年5月30日 1時) (レス) id: ff9e46a691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:〜NAE〜 | 作成日時:2020年9月6日 17時