Wild Flower (ページ3)

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審査員の言葉にムッとする少女。

　「ストレートですね」

▢「回りくどい事は苦手なんだ。率直に言おう」

　「はぁ」

▢「うちの事務所に入ってくれ」

　「はぁ・・・はい！？」

終始落ち着き払っていた少女の顔が変わると嬉しそうにその男性は笑った。

▢「うちでもガールズグループを新規で作ってる最中なんだが、君の様な逸材を探してたんだよ」

　「ちょっと待ってください。私JYPに行きたいんですってば」

▢「わかっているが君みたいに面白い子を他の事務所には渡したくなくてね」

　「勘弁して下さいよ。嫌だって言ってるじゃないですか」

▢「私も君を逃がすのは嫌なんだ。承知してくれなければどこの事務所にも入れない様手を打つけどいいかい？」

審査員だと思っていた男性がSMエンターテイメントの一番偉い人だとわかっただけでなく、とんでもない事を言われて、少女は苦虫を噛み潰したような顔をした。

　「脅しですよね？私まだ一般人なのに」

CEO「これも交渉術の一つだと思ってくれ。この業界じゃよくあることだよ」

　「なんで天下のSMエンターテイメント代表が直々に私なんかを脅すんですか？私はTWICEがいいって言ってるのに」

CEO「私は君が良いんだよ」

人のよさそうな笑顔で言ってのける男性。

(笑顔で人を殺すタイプだなこのおっさん)

少女は苦悩する。

　「・・ここに入らなければ本当に業界に手を回すんですか？」

CEO「私はやると言ったらやるタイプの人間なんだよ。信じられないならまずJYPに直接君のプロフィールを送りつけて出禁にさせるがやってみるかい？」

　「・・・信じらんない」

CEO「観念してうちからデビューしてくれないかな」

少女は俯いて先の事を考える。

芸能事務所の代表に目をつけられては先など有りえない。

　「いいなりにはなりませんよ」

低い声で答えた。

CEO「アイドルとしての品位を守ってくれさえすれば好きにしてくれてかまわないよ。それも君の個性だろうしね」

　「内側からこの事務所ぶっつぶしてやりますよ」

CEO「それには君が大物にならないといけないねぇ」

　「むかつくじじい」

CEO「はっはっは。威勢がいいのがいつまで続くか楽しみだよ」

　「高給ふんだくってやる。私を入れた事後悔させてやりますからね」

CEO「楽しみだよ。契約書を用意するから明日また来てくれ」

　「わかりました」

こうして少女はSMエンターテイメント所属となる。