静かな攻防 ページ33
『じゃあいいよ。私が電話する』
「え？」
『番号教えて』
「……」
『勿体ぶらないで早く』
電話番号を教えれば
この嫌な雰囲気から解放される
でも
そんなこと出来ない
みんなのことは、あたしが守るって決めたから
「ごめんね、ソヨンちゃん」
『え？』
「電話番号は教えられない。個人情報だから、知りたければ本人に聞いて」
『……』
「それじゃ
あたしは次の講義があるから」
そう言って背を向けた瞬間
「っ、！」
髪を引っ張られ
足を止める
「ソヨンちゃん…やめて。離して」
『あんたさ調子乗ってるでしょ』
「……」
『男にモテるからって私のこと見下してる？』
「そんなつもりないよ」
『心の中では私のことバカにしてるくせに』
これは
何を言ってもダメなパターン
髪の毛が抜けそうなのでそろそろ引っ張るのはやめてほしい
『あんたなんか大したことないのに』
「……」
『どうせすぐ捨てられるんだから。
あんなモテそうな人たち、離れたらもう二度と戻って来ないよ。楽しいのは今だけ』
どうしてこの人にこんなことを言われなきゃいけないんだろう
確かに
実の父親があっさりとあたしたちの前からいなくなったように
彼らがいついなくなってもおかしくない
寂しいけど
そんなの、あたしにはどうすることも出来ない
彼らには彼らの人生があるんだから
.
.
.
どうにも出来ない
仕方ない
そう思うのに
胸が苦しくて
悲しくなる
『私
あんたのことが気に入らないの』
「……」
『男にちやほやされててムカつく』
そんなこと言って
自分は、彼女持ちの男の子ばっかり狙ってるくせに
『あの人たちも、どうして私じゃなくてあんたなんだろう。私の方が美人なのに』
「…別に、あたしたちそういう関係じゃないから」
『男女の関係じゃない？』
「うん」
『だったら早く教えて。連絡先』
まだ諦めてなかった
結構しつこいな、ソヨンちゃん
あたしの髪の毛を掴んだままにっこりと笑う
『独り占めなんて良くないよ』
「あの…ソヨンちゃん
落ち着いて話を」
何とか説得しようとしているうちに
ソヨンちゃんがあたしのスマホへと手を伸ばす
「ちょっ、」
『貸して』
「ダメだってば」
『いいから早く』
意地になっているのか、無理やり奪おうとするのでこっちも逃げるのに必死
端から見たら滑稽な光景だろう
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みっちゃん(プロフ) - レモンさんいつもお疲れ様です（ ; ; ）いつも作品読ませていただいてます。今回の作品も本当に大好きです！！！これからも活動頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月29日 23時) (
レス) id: b9bee3a82b (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！セフン良かったですね！親すごいムカついたけどスカッとしました。次も頑張ってください、応援しています！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: d9ea95abc6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - 楽しみに連載待ってます！応援してます！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: 4ca93bc7ad (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります(o^^o)のろのろですが更新頑張ります！ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 読んでてすごい面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます笑 (2019年4月27日 23時) (レス) id: e0c9fa60e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年4月27日 14時
