家族 ページ18
「……」
「……」
目を伏せて
唇を噛み、押し黙る
…ダメかな
このまま
ベッキョンさんの心に近づくチャンスは無いのだろうか
それからしばらく経っても返事は無かった
「…
ごめんなさい。嫌がってるのに追い詰めるようなこと言って」
「……」
「急がなくて良いですから、言いたくなったら言ってください。
いつでも待ってます」
「……」
「…じゃあ、もう行きますね。
ゆっくり休んでください」
今日のところは諦めよう
そう思ってベッキョンさんに背を向けた
すると
「……あんたの言う通りだよ」
「え？」
遠慮がちに掴まれた腕
彼の手は冷たくて
触れているうちに、細かく震えているのがわかった
「今も、怖いんだ。
この手を振り払われるんじゃないかって」
「……」
「“いなくなっても良い” “裏切られたって良い”
そう思うことが俺にとっては保険みたいなもんで……そうじゃないと、本当に失ったとき…まともじゃいられなくなりそうで」
小さな頃に負った心の傷が原因で、誰かを信じることが怖いから
人を遠避けることで自分を守ってきたのだろう
彼の今までの人生を思うと
胸が苦しくなった
「心を許せば、失ったときの苦しみが大きくなる。
だったら初めから近づかなければ良いと思った。
でも
孤独は怖いし
誰かに助けてほしいと思うこともある
独りでいることを選んだのは自分なのに…
笑えるよな、こんなの」
自嘲的な笑みを浮かべるベッキョンさん
いつもよりも儚げな彼は
このまま消えてしまいそうだと思った
「笑うわけがありません」
「……」
「ベッキョンさんが苦しんできたことも、今葛藤していることも、よくわかりました。
これで全てが理解出来たとは思いませんが、少しは近づけたような気がします」
「……」
「人間はきっと誰しも弱い部分を持っているし、様々な方法で自分を守ろうとするはずです。
あたしはそれを笑ったりなんかしない。
むしろ、あたしにも手伝わせてほしいくらいです」
「え…？」
「あたしにも出来ることがあれば
ベッキョンさんを守らせてください」
驚いた表情でこちらを見た後
目に涙をためて
堪えるように再び唇を噛む
「ベッキョンさん」
「…っ」
頬に手を添えると、ビクッと肩を揺らす
「泣いても良いんですよ」
「……」
「助けを求めたって良い。甘えたって良いんです。
あたしたちは
家族なんだから」
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みっちゃん(プロフ) - レモンさんいつもお疲れ様です（ ; ; ）いつも作品読ませていただいてます。今回の作品も本当に大好きです！！！これからも活動頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月29日 23時) (
レス) id: b9bee3a82b (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！セフン良かったですね！親すごいムカついたけどスカッとしました。次も頑張ってください、応援しています！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: d9ea95abc6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - 楽しみに連載待ってます！応援してます！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: 4ca93bc7ad (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります(o^^o)のろのろですが更新頑張ります！ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 読んでてすごい面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます笑 (2019年4月27日 23時) (レス) id: e0c9fa60e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年4月27日 14時
