不確かなもの ページ19
“守らせてください”と
“家族なんだから”と
簡単に言ってのける
だけど、それは決して軽い言葉ではない
こんな暗い過去のある俺を家族に招き入れることは容易く無いだろう
そもそも、他人を家族として受け入れるのは…俺の常識の中ではあり得ないことなのだが
こいつも
その母親も
やっぱり、すげぇな
「…あんたさ」
「はい」
「俺と同い年なんだろ？」
「え？あ、はい。そうですけど」
「じゃあ変えろよ、それ」
「それ…って
どれ？何ですか？」
「敬語」
ぽかーんと効果音がつきそうな間抜け面
「違和感なんだよ。ずけずけ言うくせに言葉は丁寧で」
「…だって、タメ口だと馴れ馴れしいかと思って」
「良いよ別に」
「……」
「家族なんだろ？」
目を見開いて
ついでに口も開いて
表情が豊かなんだな
「家族…で、良いんですか？」
「敬語」
「あぁ…
良い、の？」
「良いも何も あんたが言ったんだろ」
こっちこそ聞きたい
そんなことを言って大丈夫なのか。後悔しないのか
…まぁきっと
大丈夫って言うんだろうけど
「うわぁ、どうしよう」
「何が」
「今のはちょっとした賭けというか…勢いで言ってみただけというか」
「本心じゃないのかよ」
「本心だよ！本心だけど！だって、
ベッキョンさんにとって家族っていうのは…」
俺にとって
家族とは
日常的に暴力を振るう父親
傷を負った息子を置いて行く母親
それ以上でもそれ以下でもない
大事に愛された時期もあっただろうけど、もうそれも忘れてしまったんだ
「あんたにとっての家族は？」
「え？」
「家族ってどんな？」
「……」
明るく話すかと思ったのに
意外にも
困ったような表情
「…
偉そうなこと言ったけど、あたしも実はよくわからない。
お母さんは知っての通りあんな感じだよ。優しいしあったかい人だし、昔から愛情をたくさん与えて育ててくれた。
でも
父親は」
ここまで聞いていて初めて気がついた
そういえば、こいつの父親を見たことがない
「……あの人は
今どこにいるのかもわからないの。
もしかしたらもうこの世にいないのかもしれないし、どこかで違う家庭を築いているかもしれない」
「は？」
「あたしが小さい頃に家を出て行った。
浮気してたんだって」
「……」
驚いた
本当に驚いた
話の内容もそうだけど
嫌な過去を
あまりにも平気そうに話すから
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みっちゃん(プロフ) - レモンさんいつもお疲れ様です（ ; ; ）いつも作品読ませていただいてます。今回の作品も本当に大好きです！！！これからも活動頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月29日 23時) (
レス) id: b9bee3a82b (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！セフン良かったですね！親すごいムカついたけどスカッとしました。次も頑張ってください、応援しています！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: d9ea95abc6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - 楽しみに連載待ってます！応援してます！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: 4ca93bc7ad (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります(o^^o)のろのろですが更新頑張ります！ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 読んでてすごい面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます笑 (2019年4月27日 23時) (レス) id: e0c9fa60e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年4月27日 14時
