あなたの彼女は私でした2【及川徹】

#curt_33 ページ38

「もうすぐ、片付けてしまうんですよ。」







たしかに、部屋に入った時少しの違和感があった








物が少ない









「来月、引っ越すんです。
ずっと前から決まっていた事なんですけど、
お姉ちゃんの物をどうするかは決まってなくて。」








七菜ちゃんは淡々とそう言いながら









机の2番目の引き出しを漁っていた








「あ、これです。」









奥の方から出てきたのは、まとまったノート類









これを、やっぱり私は知っている









彼女の









「お姉ちゃんの、部活ノート。あと、日記です。」









途方もない冊数のノート







その内容全てを知っているわけではない









けど、なんとなくわかる








希望と、期待と、責任に溢れている









「何をしても大体三日坊主だったお姉ちゃんが、







これだけは毎日続けていたから。






本当に大好きだったんだと思います。








部活が、バレーが。…バレー部の皆さんが。」








きっと七菜ちゃんは全て読んだんだろうな









だから思ってしまったのかな







「…お姉ちゃんの心残りを、
私は晴らしてあげることはできません。






もし、藤乃さんが嫌じゃなかったら







及川くん達の最後の1年間を、
側で見届けてあげてくれませんか。」

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