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天馬くんに生徒会室に呼ばれた。



『どうしたの?』



急に呼び出されたことで、不覚にも高なった心音を無視して尋ねれば
少し怒ったような表情の天馬くん。


何か。。。した?



「Aは、神楽木のことが好きなの?」

『え?』



天馬くんが近づく。

距離を取ろうと後ろ足に下がるも、壁に阻まれた。
背中に感じるひんやりとした感覚。


『ちょ。。。。っ』



天馬くんの影が私にかかる。
天馬くんの綺麗な指が私の前髪をすくった。


そして、額に感じる柔らかな感覚。


静かな部屋に響くリップ音。



一瞬何も考えられなくなった。




「土曜日、神楽木にも同じことされてたよね」



見られてた?でも、


『天馬くんには関係ない』



絞り出した声は震えていた。



怒り?
悲しみ?


分からないけど

どうしようも無く苦しい。



「これを見てもそう言える?」



天馬くんは私から離れると、封筒から出したものを机に放り投げた。


『写真?』


よく見なくてもわかる。

私と晴くんの写真だ。



「神楽木と水族館デートしたんだね」



天馬くんの冷たい声が耳に届く。


『デートじゃない。ただ。。。』

「当事者かはそんな見解かもしれないけど、客観的に見たら付き合ってるように見えるよ。」


そう言って、晴くんが私の額に口付けている写真をつまみあげた。

更に、学園の庭園で撮られた写真まで。


「A。僕達は桃乃園だよ。彼は英徳だ。」

『だから何なの?ライバル校なんて、関係ない。天馬くんだって。。。。』

「僕達は婚約してる。僕と音との関係に口出しするやつはいないだろう。」


天馬くんがゆっくりと椅子に座った。


「でも、Aと彼の関係をよく思わない人もいるんじゃないかな」


だから、こうやってリークされてる。
そう言いながら、私を見つめた天馬くんは、私の知ってる天馬くんじゃないみたい。

何も言えないでいる私に天馬くんは微笑んだ。


「Aは、恋愛がしたいだけなんだよ。きっと。」


それが晴くんじゃなくてもいいような言い方。


『ちがう。。。私は。。。』


天馬くんは、笑顔のまま、



「だったら近衛でいいじゃないか」


そんなことを口にした。
天馬くんの笑顔が怖かった。

苦しかった。


江戸川さんとの婚約は仕方が無いもので
いずれは私を選んでくれる。

そう思ったのに。

心のどこかでは、そう、期待してたのに。



全部ちがった。

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設定タグ:花のち晴れ , 馳天馬 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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??(プロフ) - うわぁ、好きです…(т-т)♡続き待ってます! (1月5日 22時) (レス) @page24 id: bf81ac6cbd (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 続きが気になります!更新しますか? (2021年3月24日 10時) (レス) id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆう - 続きが読みたいです! (2020年8月19日 20時) (レス) id: 73ef895257 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - あやみんさん» 更新止めててすみません^^; ありがとうございます! (2020年4月26日 14時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
あやみん - 面白いです。頑張ってください! (2020年4月3日 11時) (レス) id: ac50c68a33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2018年12月16日 23時

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