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宛もなく外に出たのは、
リビングから響いたヒステリックな声にどうしようもなくなったから。
母親の靴を一瞥してから、制服のまま飛び出した。
住宅街を抜けて、
国道沿いの歩道を足早に進んで
細い路地に少しだけ入ると
目の前にはゲームセンター。
その横の建設現場。
グレーのシートで囲われた四角い建物はビルだろうか。
始めてきた時と比べると、随分と高くなっている。
『リュウジさん 』
記憶の底に閉じ込めた音を口に出すと、
『臣』という音を紡ぐよりも
優しく、暖かい響きを持ったように感じた。
グレーのシートの奥からは、溶接の音と金属がぶつかる音が聞こえる。
確か、この辺りに猫が捨てられていたと、
建設現場の横に座り目を閉じた。
耳から入ってくる音も心地よく感じるのは、
きっと、この音の奥にあの人がいるから。
なんて。
変な、事を考えている。
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あい(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます!更新出来ずにすみません(><)続けて楽しんでもらえると嬉しいです(*´-`*) (2017年1月14日 11時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» いつもありがとう!またテストの時期がくるねー。ふぁいと! (2017年1月14日 11時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - 楽しみにしています!更新してほしいです! (2016年12月16日 21時) (レス) id: 1c4717b81f (このIDを非表示/違反報告)
EXILE一族LOVE - あー、やっぱりあいさんの小説最高!! テストがやっと終わってみてみたら! あいさんの小説が更新されてて癒しになりました(*^_^*) これからも、自分のペースで頑張って!o(^-^)o (2016年6月22日 15時) (携帯から) (レス) id: 95448f39b5 (このIDを非表示/違反報告)
EXILE一族LOVE - 全然長くなってもいいです!笑 本当にあいさんの小説には引き込まれますわ笑 これからも頑張ってね! 応援してるよ(*^_^*) (2016年5月9日 6時) (携帯から) (レス) id: 95448f39b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2016年3月6日 14時