兄と私と彼

3 ページ3

臣は、私のことが好きらしい。




私も臣が好き。




ただ、お互いの好意は、どこにでもある兄妹のそれと一緒。



特別な感情はない、、、んだと思う。





少なくとも私は。







おでこへのキスは兄妹愛。
それだけだと言ってしまうことはできる。




だって、直接愛してるなんて言われることもないし。

朝のキスを除けば、普通と変わらないし。






「近親 相姦」







ふと我に返って、
そう発した親友を見つめた。





「萌えるよね。あのアニメ最高。」




あー。アニメの話ね。



唐揚げをつまむと少しだけかじった。






『ほんと、そういうの好きだよね。理解に苦しむ。』

「ひっど。折角３年目も同じクラスなったのに。ひっど。」

『ごめんって』

「それ適当すぎっしょ」







遅刻して学校に行けば、
親友のサツキと同じクラスだったけど。






『ねぇ。なんでこんなに騒がしいの？』






尋常なくらい廊下が騒がしい。





「あー。A知らないんだ。」

『なにを？』

「今日から編入生来てさ、しかもウチらのクラスなの。」

『なに。イケメンなの？その人』

「そうそう！なんかね、王子様みたいな？」

『ほんと、サツキって、夢見る乙女だよね。悪い意味で』

「さっきから酷くない？！」

『うそうそ。』






からの弁当箱に蓋をしてお茶を飲むと
女の子の声が一層大きくなった気がした。





「あ。噂をすれば」





サツキの視線をたどると、





イケメンがいた。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す