13.秘められた思惑、始まりの場所 ページ29
一切口を開くことなく歩いた後、いつの間にか停車していた黒塗りの車の後部座席に私は押し込められ、直ぐにマフィアの本部へと連行された。
横浜の一等地に
(……戻って、きてしまった)
何ともやるせない心地で駐車場に降りて、私は半ば背を反らしながら頂上を振り仰いでみた。あんまりにも高いので、そこまでしても頂上はギリギリ視界に収まりそうで収まらない。
そんなことをして、ふと思う。
(何だかまるで、杭みたい)
この街に深く深く突き刺さった、杭。そしてきっとそれらを引き抜こうとしたならば、その時はこの地すらも崩れ落ちて、ボロボロに壊れてしまうのだろう。
＊＊＊
監視が見張る自動扉をくぐり、中へと入ってゆく。途端、広いロビーの中を歩く周囲の構成員達の物珍しげな視線が一斉に刺さり、思わず今まで通りにフードを被って、私はそれを遮断した。
しかし、この場に流れる息の詰まるような空気までは防げない。自分が「モノ」という型に押し込められるような感覚も、また。
(……探偵社と比べて、此処はなんて、寒い処なんだろう)
あそこが陽だまりであるならば、此処はまるで冷たく淀んだ沼の底のようだ。一度外を知ってから見ると、思っていた以上にこの場所は無機質で殺伐としている。
広いロビーの奥にある、近未来を思わせる硝子張りの
此処まで来れば広津さん達が、私を何処へ連れていくのかは明白だった。私にとっては、マフィアに入る前も含め――とても、馴染み深い処だ。
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霜夜華(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！大好きと言って頂けて本当に嬉しいですヽ(*´∀｀)ノ頑張って更新しますね！ (2020年3月12日 7時) (
レス) id: 647614d598 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - このシリーズ、本当に大好きです。続編も楽しみに待ってますね！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 181d62af7c (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - (^ー^)さん» 誤字ですね！すみません、修正します！ご指摘ありがとうございますー( ´ ▽ ` ) (2019年12月12日 1時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
(^ー^)(プロフ) - 広津さんが弘津さんになってます。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: db654e8536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2019年11月28日 1時
