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12-3 ページ25

そう結論づけて、私はふと気付いた。敦さんの姿が何処にも見当たらないことに。

(……。どうしよう。置いてきてしまった)

一瞬引き返そうかどうか迷ったが、多分大丈夫な筈だと思い直す。少なくとも怪我をしていた様子はなかったのだから、彼女の治療を受けることはないだろう。……多分。

少し強引に自分を納得させてから周りを見回すと、皆それぞれ何処かへ行ったらしく、私も休憩が終わるまで時間を潰すことにした。
一瞬太宰さんを探すか悩んだが、流石に昼休みが終わるまでに探すのは無理だ。ここは調べてくれるという谷崎さんに任せた方が良いだろう。

(取り敢えず、その辺りを適当に散策しようかな)

マフィアを抜け出して以降中々街を見て回れていなかったので、この際軽く見て回ることにする。流石にこんな時間帯にマフィアが彷徨いている筈もないのだから。


***


――と、甘い判断をしてしまったのがいけなかったのだろうか。

大体30分ほど経ち、そろそろ社へ戻らなくてはと思い始めた頃合いだった。通りを歩く人の中、背後にやたらと緊張を帯びた鋭い視線が刺さり始めたのだ。

気のせいだと思いたかったが、数分経っても向けられていては流石に無理があった。間違いなく、尾けられている。

(十中八九マフィアの人間だろうけど。何故こうも間が悪いんだろう)

溜息を吐きたいのを堪えて、私は少し人気のない道へと足を踏み入れた。そのまま薄暗い路地へと入り、最終的に全く人の気配がしない奥の方へと足を進める。
それに伴って、薄かった追跡者の気配が明確に掴めてきた。

(……撒くのは厳しいかも知れない)

数は三人だが、尾行に手慣れているようなので手練れであることは間違いない。しかも顔があまり知られていない筈の私を追っているなら、私が処刑人であることを知っているということだ。
であれば、たまたま見かけたから追っているのでは無く、首領から直々に指令を下されたという可能性が高い。

ただ、そうだとすれば相手がたったの三人だけというのは少し妙だった。別に私は路地の奥に追い込まれている訳でもなく、周囲に待ち伏せの気配もない以上、罠に嵌められているとは考えにくい。
かといって、私が気配に聡いことを知っている筈の首領が少人数での奇襲を仕掛けさせる訳がない。

(真逆幹部が来てるとも思えないし、何か目的がある?)

少し考えてみたが、さっぱり思いつかないので私は諦めて思い切ることにした。このままでは埒が明かない。

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霜夜華(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます!大好きと言って頂けて本当に嬉しいですヽ(*´∀`)ノ頑張って更新しますね! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 647614d598 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - このシリーズ、本当に大好きです。続編も楽しみに待ってますね! (2020年3月12日 7時) (レス) id: 181d62af7c (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - (^ー^)さん» 誤字ですね!すみません、修正します!ご指摘ありがとうございますー( ´ ▽ ` ) (2019年12月12日 1時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
(^ー^)(プロフ) - 広津さんが弘津さんになってます。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: db654e8536 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜夜華 | 作成日時:2019年11月28日 1時

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