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この部屋に入れられたことはともかく、地下牢に来られたことは幸運だった。おかげで、あまり構成員と遭わずに太宰さんを探すことが出来る。
(あの人の事だから、多分、特別収監房とかに入れられていそう)
脅された時は血の気が引いたが、よくよく考えれば、今更彼がマフィアに捕まるなど矢張りどう考えてもおかしい。
が、ああして脅しに使われたなら、捕まったのはきっと本当だ。
となれば、太宰さんは態とマフィアに捕まったのだろう。
そして傍迷惑なことに、私はそれに巻き込まれてしまったという訳だ。
(正直置いて帰りたい気もしなくはないけれど、流石にそれは一寸……。それにそんな事をしたら、太宰さんの身が危なくなりそうだし)
広津さんの云っていた通り、私は確かに太宰さんのことが大事だ。マフィアもそれを承知しているからこそ、彼を私に対しての人質にしたのだ。
それなのに、私が此処で太宰さんを置いて逃げればどうなるか。
私が薄情者と思われるだけで済むならまだいいが、残念ながら、あの首領がそんな甘い判断をするとは思えない。
太宰さんが態と捕まった事に気付いて、彼を拷問にかけるか、或いは早々に処刑してしまう可能性がある。
とてもではないが、そんな危険は冒せない。何とも面倒なことになった。
(でも太宰さん、もしかしたら私が此処に連れ戻されることも読んでいそうなんだけど)
あんな訳の判らない頭脳を持っていながら、この状況を想定出来ていなかった――とは、とてもではないが思えない。
つまるところ、太宰さんは最初から私を巻き込む心算で捕まったのではなかろうか。
(…何だか、腹が立ってきた)
大体、太宰さんは一体何の目的があってこんな危険な橋を渡ることにしたのか。否寧ろ、橋どころか断崖絶壁の谷を綱渡りしているとしか思えない程なのだが。
勿論それなりの理由があってのことだろうが、それにしたって危なすぎる。他に方法が無かったのだとしても、「なら仕方ない」と納得できるものではない。
(あっさり危険な場所に行く所も、昔のまま、なんて)
もやもやとした感情が、胸の内に溜まっていく。行き場がなく、吐き出すことも叶わず、仕方なく私は強く拳を握り締めてそれを誤魔化した。
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霜夜華(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！大好きと言って頂けて本当に嬉しいですヽ(*´∀｀)ノ頑張って更新しますね！ (2020年3月12日 7時) (
レス) id: 647614d598 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - このシリーズ、本当に大好きです。続編も楽しみに待ってますね！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 181d62af7c (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - (^ー^)さん» 誤字ですね！すみません、修正します！ご指摘ありがとうございますー( ´ ▽ ` ) (2019年12月12日 1時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
(^ー^)(プロフ) - 広津さんが弘津さんになってます。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: db654e8536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2019年11月28日 1時
