メンタリスト…… ページ32
「………まったく耳障りだよ……。貸して」
私はルビィのいたところに押し入り、竹を握った。
「あ、ありがとうー!!」へなへなと座り込むルビィ。
「うん。ちょっと休んだらすぐやるんだよ?」
「分かってるって!」
そう言って、ルビィは近くに三角座りになった。
「………で、あさぎりゲン?」
私竹上下運動に苦戦しながら、同じく左で苦闘しているゲンに声を掛ける。
「大樹と杠は元気にやってっか?」
問い詰めようと思っていた矢先、部長はそこに割って入った。
私が言おうとしたやつ………。私の竹を動かす手が自然と速くなった。
「あ〜……そゆことね、必死こいてる心の隙にカマかけようと。
勇気あんなあ〜、メンタリストにそういう勝負挑んじゃう?」
メンタリスト?
って何だ?
とりあえずマジシャンじゃないってこと?私の心の声を無視して、ゲンは続ける。腕が疲れてきた……。
「でも安心しなよ。特に
二人とも知ってんでしょ?」
Aちゃんに、千空ちゃん。
口を歪めるようにして、ゲンが笑った。
「長髪男の手先確定だ!殺すか?」ジャキッと小太刀を付きだすコハク。
「待てバカ。あさぎりゲン、テメー100億%カマかけに気付いてて、なんで急にアッサリ司の仲間だって認めた?」
「情勢が変わったのよ。これ見ちゃったからね━━━━」
翌朝、珍しく空は平らな雲に覆われ、暗かった。
「俺の仕事は、Aちゃんの監視だよ」
ゲンはなんだか、すべてを見透かしていそうな目をしている。その目を細めて、ゲンは続ける。
「Aちゃんは千空ちゃんとは違って、科学の知識はない。だから放っていても文明を復興させることはない。
それでも念には念をって来させられたんだけどね」
うん。司の前でいい感じに明るい子の振りしてて本当によかった。
空が更に灰で埋まったみたいに暗くなっていく気がした。
「だけどAちゃん、実はとんでもなく頭いいでしょ?」
自分のことを頭いい、というとすごく反感を買われそうだけれども。
なんで分かるんだ……。
「Aちゃんは博識、おまけに司ちゃんが殺したと思った千空ちゃんは生きてた。これ知ったら司ちゃんどうするかな〜」
「うーん。そんな事言われても困るんだけど…」
あれっ、私って交渉役の為にこの村に来たんじゃなかったっけ?
微塵も役に立ってないな……。
やっぱり私来なくてもよかったんじゃないか…。
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くりぼつち長庚(プロフ) - Kさん:スタンリーはいいですよ〜はやくアニメ化することを願う!声優楽しみ! 神月ティアナさん:分かります!龍水もイケメンですよねぇ!ホワイマンの絡み、って、中々面白いの選びますね笑 (12月23日 20時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
神月ティアナ(プロフ) - 初コメ失礼します!とてもわかります!絡みが気になるキャラだと毎回上位にいるのが龍水、フランソワ、宝島組、アメリカ組、SAI、ホワイマンなんですよね (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 7ac5013380 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - マジですか?!私はアニメででしか知らないので....スタンリーやゼノをGoogleで知ってる程度で....彼らの良さを早く知りたいです!!ちなみに私は千空推しです! (12月23日 15時) (レス) @page50 id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - 初コメント失礼します!最近読み始めたのですが素敵ですねこの作品!胸をキュンキュンさせながら見させていただいています!素敵な作品ありがとうございます! (12月23日 11時) (レス) id: 3281584211 (このIDを非表示/違反報告)
長庚(プロフ) - お気に入り100人いきました!皆様ありがとうございます! (11月22日 22時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年10月14日 19時