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倉庫拝見 ページ41

「ありゃ、バレちゃった?」

大袈裟に笑うと、コハクは意表を突かれたような顔をした。

「?」どうしたんだろうか?

「来たぜ方鉛鉱!鉛ゲット!」

「割るとピカピカで超ヤベーぜ!」

クロムと部長のやり取りではっとしたのか、「ああ、私の目は何でも見えているからな!」と冗談のように言ってから、倉庫を出てしまった。

多分、温泉を届けに出たのだろう。それにしても何故コハクはあんなにきょとんとした顔になったのだろう?

「賢者の石もあんじゃねぇか!」

そして隣の男二人はこんなに五月蝿かったかなと呑気な事を考えながら、棚に置かれた壺を眺めていた。

「あれ、植物もある……スイカズラに…カンゾウ、マオウまで!」

昔々に、植物や薬草の綺麗な写真が入った図鑑を外でずっと読みふけっては探しに行ったりしていた事を思い出す。暇の力とは恐ろしいものだ。

「いや……クロム凄いよ!!……って」

後ろのクロムに声を掛けようと思ったのに、二人ともいなかった。

倉庫の扉からひょこりと顔だけを出すと、クロムと部長は赤々とした賢者の石と他に何かを持ち出して、どこかへ行こうとしているのが分かった。いなくなるの速すぎやしないか…。

ついていって何を作るのか少し見たい気もする。が。

「…………、別に行かなくていっか!」

そんな事よりもこのたくさんの植物の方が優先だ。植物。植物。植物万歳(マンセ)である。

私は一人、倉庫の中で踊るように浮かれていたのであった。

******* *(回想)

「悪いな……A。いつも相手を出来なくてな」

父と二人しかいない空間。こんなのは久しぶりの事だ。

母が一人で外に出てしまう事も多かった。

「あ……えっと、ううん!べつにへいきだよ!外であそぶの楽しいし!」

ここで変に怒ってしまえば、逆に怒られるのではないかと、咄嗟に声を上げる。

父はふっと息を吐いた。

Aが無理していることに気付いているようだった。

「そうか。悪いな、本当に。……なら、外で遊ぶ時、これも持っていったらどうだ?」

そう言って渡されたのは、たくさんの青々とした植物が表紙にプリントされた、本だった。

大きく著されたタイトルを声に出す。

「にほんのしょくぶつ、だいずかん?」

倉庫の中で→←倉庫をいただきました。



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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時

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