旅の始まり ページ5
「いやあー。旅の始まりですな！」
「80kmだけどね……」
半ば乗り気では無いが、司という脅威に晒されるよりましだ。
桜の花弁がひらひらと、私たちの周りを舞っている。
「なんか、桜の感じ違うね」杠が桜を見上げながら言った。
「俺らの知ってる桜、ソメイヨシノは自家受粉できねぇからな」
杠はそれにはっとした。
「え？それじゃあ……」
「ソッコー滅亡しただろうな」部長はあっさりとそう呟く。
「人間がいないと絶滅する生き物もいるものだね」
"絶滅危惧種を保護しよう"みたいな、人間の手がかかって育てられた種もきっとすぐに絶滅しただろう。
人間はそれほど、世界に影響を及ぼす生物だったということを痛感させられる。
「おお！いい景色だぞ!!」
大樹の指す先には、広大な森林が広がっていた。
ここは大分高い土地のようだ。
「ちょうどいい」
部長は懐から六分儀を出し、目の前に掲げる。
「おっ！なんだ千空？それは」
「六分儀。今 日の出から3万5970秒…」
「今なんかすごいことサラッと言った!?」
「千空は石化中も1000億秒とか数えてたんだぞ！このくらい飯前だ！」大樹も何だかんだ部長をよく分かっている。
「手作りの六分儀、ねえ……。精度はいいの？」
「いや、はっきり言ってゴミ過ぎんな。鎌倉くらいっつうのは分かんだが、もっと正確な座標が欲しいところだ」
そりゃあストーンワールドで作った六分儀できれいに座標が分かったら大抵の事は苦労しないだろう。
「目印になる建物とかないのか？」
「鉄筋が腐ってんだぞ。残っちゃいねぇよ」
「うん……金属だって腐らないものといったら、金とかプラチナとか、貴金属が多いかなぁ」
頭の中で、金属の知識を呼び起こした。
「あ、でも銅とかは腐食しにくいかな。錆で内側を護ってる、から……
………銅？」
ふと顔を上げると、杠がこっちを見ていた。
「もしかして、あるの？」
杠も同じ事を考えていたようだ。
「多分ね。原形は留めてると思う」
杠は下の景色を眺め、声を上げた。
「あっ、あった！」杠が駆け出した。
「よし、行こう！」
私もそれについて行く。
「な、杠!?A!?そっちに何があるんだ!?」
大樹はよく分からない様子でついてくる。
「あ、あそこだけ妙に植物とか生えてない！」
「鎌倉の目印といえば………!!」私は汗を拭いながら、それを見た。
「………!!」
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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます！ (10月6日 16時) (
レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお！更新頻度高くてすごい助かります！！普通に話作るのうますぎて吐きそう！！頑張れええ！！ (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー！実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます！(*｀･ω･)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください！ (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます！これからも作品の腕を上げて参ります！ (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長庚 | 作成日時：2023年9月12日 22時
