検索窓
今日:8 hit、昨日:53 hit、合計:27,743 hit

サルファボール!! ページ39

クロムは球を腕や手を使って、一生懸命擦り始めた。ゼエゼエと息を荒くしながらも頑張っている様子だ。

数分後、クロムは銀狼の鼻先に向かって指を突き出した。

「ん?って……痛ぁっ!!何この攻撃!」

(ああ、今の人達はセーターとか着たことがないから、静電気は初めてなのか)

小学生の頃、一人で装置を作って十万ボルト発生させて遊んでいたのを思い出す。今となっては虚しいだけだが。

部長はクロムが持っていた球体をひょいと取り上げて眺めた。

「硫黄のボールか?さっき火にもブチ込んでた硫黄を土器につめて火で溶かす」

わざわざ言うのは、クロムが硫黄が何か分からないからだろう。

「冷めて固まったら外側を割って完成か…スゲー作り方だな。硫黄玉の静電気発生器。本来17世紀の発明品だ。

唆るじゃねえかクロムテメー……!」そう言って部長は、一つ高くなったところに刺さっていた旗を取り外した。

「ククク……手でこするよか革のが100億倍パワーあんぞ。科学の旗だ」

部長が硫黄ボールを旗に包んで、高速で擦ると、数秒で部長の髪が電気を帯び、退けあって散り散りに広がった。

「ヤァーベェー!!」部長の静電気ショックを喰らったクロムが、漫画のような骨見え状態になる。痛そうだ。

「頭がツンツンに!」

「元からツンツンだがな。どういう仕組みなのだ?それは」

銀狼とコハクは自分も入れてくれと言わんばかりに硫黄ボールに飛び付く。

「ちょっ、返せバカ!」

同じく頭がツンツンになった二人を止めに、クロムが走っていった。それを尻目に、部長は苦笑する。

「こども科学実験教室かテメーらは……。んな原始的な…」

確かにこれらは、子供がやって楽しいねの科学だ。

しかし原始の村で、クロムは無からこれらの科学(本人は妖術と言っているが)を自分でやってのけた。

私と、言ってしまえば部長も、既に与えられた科学を学ぶだけだった。本を読んで、その通りの実験をして、それだけ。自分でガソリンを作るところ部長は違うかもしれないが。

でもだからこそクロムのその発想力と、何でも試さんとする行動力には驚く。

もし石化前に生まれていたなら、凄い科学発展に繋がる人物になりそうだったのに、惜しい奴だなと思った。

「……クロム、このままじゃいずれテメーも100億%司に殺される側の人間だ。俺ら科学王国の一味になるしかねえなァ」

部長は、クロムにずいと近づいて言った。

倉庫をいただきました。→←覚えてる訳 ないか。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。