憶測?臆測?どっちなのこれ? ページ34
「ようこそ、私の村へ」
湖に浮かぶ二つの島。
歴史の教科書に出てきそうな原始的な建物が、あちこちに見えている。
その数も多くはないが、これは間違いなく、村だ。
「………本当に村がある……」私は心で思った事をもう一度口にした。部長が少し速足になる。
「何人いんだ?ここに」
「隠居と子供の数は忘れたが…それ以外だと、確かちょうど
「40人!?」
「う、ん……コハク達こそ、一体何者なの?」
突如登場した村の存在に圧倒されながらもコハクに言う。しかしコハクは戸惑いを見せただけであった。
「?そう訊かれると、分からないな。ただのこの村の住人だ。村自体は私が生まれるずっと前からあるぞ」
村の橋を渡ると、横から風が抜けるように吹いていく。
「……そっか」
ありがと、と笑いつつ、私は仮説という名の憶測タイムに入る。
(誰かが復活させたのかな
……この人達は、その子孫…?いや…)
私は頭の中でぶんぶんと首を振る。
(でも一人が復活しただけじゃあ、子孫は生まれない。
二人以上が、私達より何年も前に復活した、なんて余程の頭がよさそうな人じゃないとダメそうなのに……)
言っちゃあ悪いが、あまり頭がよさそうな村には見えない。村のクオリティというか、色んなものが物語っている。
(逆に、必要な知識以外が消え去っちゃうくらい時間が経ったということ?例えば何千年……)
考えながら歩いていると、ふと目の前に、二つの影が落ちた。
はっとして顔を上げると、槍を構えた二人の少年が、私達目掛けて迫ってきて━━。
急なことに動けない私だったが、コハクは瞬時にそれを見切ったようだ。
抜いた小太刀を振りかざし、二人の槍を外すことなくはねのけた。
「うわっ!?」変な声が出てしまった。展開が速すぎる。
「狼藉はやめろ金狼、銀狼!私を救った恩人だぞ!」
「いやあダメでしょコハクちゃん。そりゃあダメだぁ」私の耳に、やけに間延びした高い声が緩やかに入ってきた。
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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時