謎の連中 ページ26
バサバサと下で葉が揺れる音が聞こえる。
少し後に、地響きのような重い音が轟いた。
「何？今の……」
森を見ると、土や砂が上がっているところがあった。
木でも切り倒されたのだろうか。
誰が？このタイミングで……。
部長は一瞬だけ私と目を合わせた後、一人そこに向かって駆け出した。
「ちょっ……！部長待っ……」
私もそれについて行く。
もしかしたら司がいるかもしれないというのに。
土地を下り、森の手前に入るところで、ふと脚を止めた部長。荒い息を整えながらも、目は一点に釘付けになっている。
何とか追い付いた私も、それを見て息を呑んだ。
森にいくらでも生えている大木。
その一つが根元から折れて、横倒しになっていた。
さらにその木に、下敷きになっている人物。
司では、ない。
森の色とは似つかない、目立つブロンドの髪に、海のように澄んだ瞳の色をした少女。
年は、私や部長と同じくらいだろうか。
私たちはふためきながらも少女のもとへと寄る。
その少女は私たちに気づいた。
「君たちは！山の怒りを呼んだ妖術使い！
それに紳士使い！君も生きていたのか！」
見た目に反して、流暢な日本語を話した。
"紳士使い"と謎の二人称で呼ばれた部長は一瞬、ほんの一瞬だけ顔を曇らせたが、調子を変えずに言った。
「無駄口叩くな！自己紹介は後で飽きる程聞いてやっから、体力温存しやがれ！」
私は持っている荷物を探りながら訊く。
「どうする？火薬ならある。後の事を考えないなら使ってもいいけど……」
「いや考えろ！下手したらこいつが死ぬだろうが！」
「そうじゃなくて！この子が大丈夫かっていう話で……こんな木の下敷きになって、外傷とかあったら大変だよ。時間は掛けられない」
私は少女にちらりと目をやる。しかしよくこんな木に下敷きにされて生きているな、と少し感心してしまう。
「そんなのはこいつにしか分からねえ」
部長は少女を見下ろした。
「今の聞いてたか？怪我で身体が持たねぇなら、安全の保証が一ミリもねぇが火薬でブッ飛ばす。
粘れんなら、死ぬほど時間は掛かるが俺たちが確実に助けてやれる」
「……………」
部長のそれに、少女は何も返さず、黙っている。
………信用できてないのか？そう思ってから、いやと頭の中で否定する。
そりゃあこの少女だって、初めて会った奴にいきなり助けてやるだなんて言われて、呆けるのも当然だ。
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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます！ (10月6日 16時) (
レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお！更新頻度高くてすごい助かります！！普通に話作るのうますぎて吐きそう！！頑張れええ！！ (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー！実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます！(*｀･ω･)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください！ (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます！これからも作品の腕を上げて参ります！ (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長庚 | 作成日時：2023年9月12日 22時
