別れ ページ25
「じゃあそういうこった。行くぞA」
「え、早いね」
杠と大樹の別れを惜しみつつ、二人に挨拶した。
部長のもとへ行く。感慨なく前に進む部長に声をかけた。
「部長はいいの？二人に殆ど何も言ってないけど」さっきの雨が嘘のように、空はくっきりと晴れている。
やはり薄情というか合理的なのだろうが、しばらく会えないことには変わりない。
「あ゛ぁ。必要ねえ」と、部長は低い声で言う。
「……っつうよりかは……」
「千空━━!!」
「……!!」
後ろから部長の名を叫ぶ声がする。誰なのかはすぐに分かる。
ああ、と私はそこで理解する。
部長は大樹がこう言うって、分かっていたんだ。
青空に向かって、大樹は拳を突き上げる。
「ほらな。来やがった」
部長は待っていたかのように振り返る。
首に当てられていた旗を木に結びつけ、高く掲げた。
私も大樹のように腕を高く挙げる。
必ずここに戻ってくる。何年かかろうと。
大樹はそう伝えているように見えた。
「なぁに3700年待ったんだ。今さら数ヶ月や数年なんてどうっつうことねえだろうよ」
「…そうだね。急いで仲間を作って、司とご対面しないと」
そして、また遠い記憶のように何分か前の言葉が甦る。
"俺と、杠と、Aと！そして千空の、力を合わせた闘いだ！"
距離が離れていても、私たちは共に戦っている。
自分に言い聞かせるように部長は声を張った。
「必ず立ち上げる。科学の王国を！」
＊＊＊＊＊＊＊ ＊
「部長、これからどうするか教えて」
大樹たちと別れた後、私たちは少し高い所を歩いている。
ここの見晴らしはよく、何キロも先まで見渡せる。
「あ？謎の連中を探すっつう話だろ」部長は何を今更、と小さく呟いた。
「あの、それは知ってる。どうやって？」
さっきの"連中を仲間にする"、という目標はあまりに漠然としている。それだとやはり不安になる。
しかし部長は「知らねえ」と頭を振った。
「とにかく司よりも先に連中を見つける。それだけだ。
そればっかりはテメーの運に掛かってんぞ」
何故かこういう時の部長は非常に頼りにならない。何故だ。
「え？じゃあその辺歩いてたら連中がいた、っていうのを待つとでも…」
しかし私の言葉は、何かの音によって掻き消された。
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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます！ (10月6日 16時) (
レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお！更新頻度高くてすごい助かります！！普通に話作るのうますぎて吐きそう！！頑張れええ！！ (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー！実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます！(*｀･ω･)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください！ (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます！これからも作品の腕を上げて参ります！ (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長庚 | 作成日時：2023年9月12日 22時
