万里の時を駆ける2[Dr.STONE]

ミッション ページ22

「私にあった目の障害が、石化復活時の治癒力の強さを確信させた、みたいな感じかな……」

説明する間に、杠が即席でロケットの絵が入った旗を作った。杠曰く、"科学の旗"だそうだ。

必要はないが、それで部長の首に当て木をされている。その様がちょっと面白い。

「あーその通りだ。千空博士の身を挺した人体実験によれば、石化解除の修復力は思いのほかクッソ高えっつうことが分かった！」

「わははは！石化のせいでこんなに苦労してるのに、その石化のおかげで治るとはな！」と、大樹。

「石鹸作ったときにも言ってたが、むしろこの石化こそ、まさにその医者がわりの命の石！

ドクターストーンじゃないか！」

ドクターストーン。その言葉に、なんだか妙に納得させられる。

確かに、石化のせいで人類が地球から滅亡に近い形になったが、部長の頚神経をいとも容易く治してくれた。

骨が折れた、などならまだしも、部長は一度死んだのだ。

「千空くんの首が治るなら」

杠はどこかの女の人の石像、その欠けた腕を持って断面を合わせている。

「バラバラな石像もひっつけて復活液かけたら繋がりました！みたいなことにならないかなぁ…」

「初っぱなに試したが、バラバラの死体に戻るだけだったな。こんな修復力高ぇならなんで……」

ふと何かを見透かしたように、部長の目が開く。

「杠」

部長は女の石像に手を合わせている杠に言った。

「雑な大樹や、超絶中途半端なAにゃ100億％ムリだ。手芸部ウルトラ器用なテメーにしか頼めねえ。

死ぬほどきついミッションだが、やれるか？」

誰が超絶中途半端だって？

そう言ってやりたい。何やら部長は杠に耳打ちしている。

それを聞いた杠が次に発したのはこれ。

「ワァオオ」

「………？」一体何を話していたんだろう？

「ホントのホントにメチャクチャ大変だ〜でもやる！」

「ククク…えらく軽いな」

「手芸は根気ですから」杠は小さくガッツポーズをつくる。

「なんだ内緒話か!?ズルいぞ俺も混ぜろ！」

「私も聞きたい……」

せがむ私たちに、杠は曖昧に答える。

「んっと…これから司くんとこに行こうかなって…」

司のところへ？

「おお！そうか！司のとこか！」大樹はニコニコして頷く。

「なにィ!?」直後に驚いて杠に迫る。杠もそれにかなり驚いている。

「なんでだー!?千空を死なせたあぶない男だぞ！いや死んでないが！たしかに元は良い奴だが！

じゃなくて！少なくとも司は干空を殺したと思って！」

これから→←繋がった

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