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「石化がここだけ残って……!」

私たちは目を見合せる。二人も分かったようだ。

「大樹くん!」

杠が復活液を取り出して、大樹にパスした。

「ああ!」

それを受け取り、とくとくと、千空の首にかける。

先程から、にわかにやって来た雨は降り止まない。

低い音を立てて、石が破片となり崩れた。

「石化が解けた!」

それを確認して、私は祈るようにして目をぎゅっと瞑る。

「お願い……。私の目が治ったんだから、治るはず……!」

皆の顔は雨と涙で濡れている。大樹が叫ぶ。

「そうだ!戻ってこい!目を覚ませ千空!お前はこんなところで死ぬタマじゃないだろ!!」

杠は何も言わずに必死に手を組んでいる。

「信じていくらでも待つぞ!お前がいなきゃダメなんだ!

そうだろ!千空!!」

雨の中、何度も何度も呼び掛けた。

例え答えが返ってこなくとも、私たちは部長を呼び続けた。

お願いだから戻ってきて、部長。



雨の音は徐々に小さくなり、辺りが少し明るくなった。

すぐに太陽の光が差し込み、湿った地面を照らしている。

「雨が……やんだ……」

私たちはその木漏れ日に光を目を細める。

と、ふいに背後から声が聞こえた。

「カモフラージュになってた雷雨の音が消えたんだ。もう大声で叫ぶんじゃねえぞ。司に聞こえたら一発アウトだ」

………!!

この声は……。

「うむ!たしかに」

「来てないよね司くん!」

二人とも気付いてないようだ。

「部長……」

私がそう呟くと、二人もはっとして後ろを振り返った。

「千…」

「空…」

「ククク…よく首に気づきやがったな。ゴミみてえな小せえヒントから……

テメーら三人に100億万点やるよ」

部長が、何事もなかったかのようにそこに立っていた。

「うおおおおおおおおおお!」

大樹が狂喜にも、部長を身体が潰れそうなくらい強く抱き締めた。間一髪、部長は大樹を蹴っ飛ばした。

「頚神経どころか全身もれなく砕け散ったじゃねえか!殺すぞ!」

ゼエゼエとした息を整えて、部長は言う。

「ククク……わかってっと思うがな、逐一感謝のお言葉を垂れ流すんじゃねえぞ。俺も言わねえ」

「うん……って言っても、殆どAちゃんのお陰なんだけどね」杠は涙ながらに笑った。

「復活液を使うことも、千空くんの首に石化が残ってたところがあるって予想したのもAちゃん」

ふーん、と言いたげな顔で部長は私を見る。

「私の目が治ったんだから、いけるかな……って思った」

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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時

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