あれは……(杠) ページ14
「う゛っ!」
私や皆は、ごつごつとした岩肌へと投げ出された。大樹くんが護ってくれたから、そこまでのダメージもなくて済んだのが幸いであった。
火薬ってすごいですな……。
辺りに岩や小石が細かくなって飛び散っている。
爆発が起こった跡には、窪地ができていて、黒い煙がもくもくとしている。
「ハハッ!問題ねえ!火薬クッキング大成功じゃねえか」
ところどころ服が汚れてしまった千空くんは、昇る煙を見て言う。
「問題ないわけないんだけど……大樹がいなかったら死んでたよ」Aちゃんは呆れたように服を払っていた。
「でもこれは私のせいでもあるね…ごめん」
「気にするなA!!今はみんな無事だからな!」
大樹くんはAちゃんを気に掛けた。
「これで司くんを攻撃するの?」
それにしても、こんなものを司くんに使ったら、司くんもただじゃ済まないと思う。
「いや、取引する。司は話の通じねえ殺人鬼じゃねえ。
大樹、テメーとバトった時言ってたじゃねえか」
Aちゃんもそれに反応する。
「"意味が分からない。何の取引にもなってない"とか言ってたね」
「あぁ。逆に言やあ戦況次第で取引の余地はあるってことだ。
火薬武器さえありゃ、俺たちが優位に立てる」
「……でもじゃあ、もし取引がうまくいかなかったら……?」
私が訊くと、千空くんは急に無表情になって、黙ってしまう。
察しろってことですか……。
私は何も言わなかった。
******* *
「おーし!だいぶ弱くなってきたな!」
「司が追ってきてたりしたら100億%見つかるからな」
後ろで、大樹くんと千空くんが消火作業をしている。
私たちも温泉の湯を汲んで、あちらに持っていこうとした。
しばらくして、Aちゃんが何の拍子もなく、私に声をかけた。
「杠、あれって……」目が一点に釘付けになっている。
「え?」
顔を上げると、Aちゃんが震える手で遠くの森を指差していた。
その先には小さく、一筋の白い煙が立ち昇っていた。
「あれって……!!」
「っ、部長……!大樹!」
Aちゃんは後ろを振り返る。二人を呼んだ。
「狼煙が……!」
千空くんも目を大きく開かれる。
「まさか、司くんが……!?」
*******
解釈違いがあったので、内容を少し変えました。申し訳ありません。
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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時