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火打ち石はありました(杠省) ページ13

「硝酸カリ、硫黄、木炭をブチ込んだもんに隠し味で砂糖とかをちょちょっと足すとパワーが上がる」

私が混ぜたものを千空くんが引き継いで、砂糖とおぼしきものを投入する。

「砂糖なんてあったんだ?」

私が疑問に思うと、Aちゃんが返してくれた。

「ブドウで作った糖だよ。復活液にブドウ酒作ってたからね。

作り方を教えようか?」

「え、あっ、いやそれはまた今度で!!」

今聞いたら話が長くなるんだろうなあ。

そこはAちゃんも千空くんと同じような傾向がある。

「仕上げにブッ叩いて固める!」

ようやく完成ですか!

と、ここで大樹くんが大岩を持って火薬に迫った。

「ぶっ叩くんだなァ!?体力作業は俺にまかせろォ!」

「ええええあーー!!?」

私たちはそれに白目を剥いて驚いた。

「さささすがにマズくない?

大樹くんのパワーでそれぶつけたら火花でドカーンて!火打ち石的な…」

「いやまあ石同士ぶつけても火花出ねえがな」

あれっ、そうなの?

「火打ち石っつうのは石だけじゃねえんだよ。

鉄が混じってなきゃ火花は……」

「おお本当だ!!」大樹くんはそれを岩で叩いているが、確かに何も起きない。おお、安心。

良かったねーと、Aちゃんと顔を合わせようとした。

そこで、Aちゃんが青い顔をしているのが分かった。何かを言い掛けている。

「えっ?いや、でもいいの……?ぶ、部長…」

Aちゃんを横目に、千空くんはぶつぶつと呟く。

「温泉、火山、黄鉄鉱……」

おうてっこう、という知らない単語に、私は躊躇いなく反応した。

「おうてっこう?」

私が尋ねると、千空くんとAちゃんは顔を見合わせて、突如蒼白になった。

「お、黄鉄鉱!?」「やっぱりね!!大樹、待っ……」

おうてっこう、黄てっこう、黄鉄鉱……と変換に変換を重ねる。

ああ、黄鉄鉱ね!

……って、あれっ?鉄で火花が出るって千空くんさっき言ったような……!?

しかしどうやら遅かったようで。

大樹くんが叩いていた岩の下から、ジリジリと火花を上げる音を耳が捉えた。

「逃げっ……!!」

Aちゃんが叫ぶ前に、危険を感じ取った大樹くんは私とAちゃんを引っ張る。

直後、私たちは風圧と共に近くへ吹っ飛ばされた。

あれは……(杠)→←クッキングタイム(杠side)



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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時

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