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きっかけ(過去)(No side) ページ2

全人類が石化する9年前。

まだ7歳に満たない小さな少女は、晴れた空の下、河川敷横の道端をとぼとぼと歩いていた。

「またおかあさんとおとうさん、けんかしちゃった……」

この少女の親は、いつも喧嘩をしている。

喧嘩といっても、母親が父親に一方的に怒られているようなものだったが。

この少女の家は一種の嬶天下であり、少女が物心つく頃には、少女は父親が母親に頭を下げているところばかりを見ている。

「おかあさんとおとうさんに、お花あげたらよろこんでくれるかな……あっ、でも前にあげたお花、きたないっていってたな」

前の喧嘩の時に仲直りの印として、紫露草を持って帰ったら、母親に「こんな雑草を持って帰って来るな」と、捨てられてしまった。

"雑草"の意味が分からなかった少女は、首を傾げただけだった。

土曜日だというのに、"喧嘩"をしている親。

子供に何か出来るわけもない。それが分かる少女は今日も、川沿いの一本の道を散歩しているのだ。

「ん?だれかいる……草みたいなかみ……」

ふと河川敷のもとで、少女と同じくらいの少年が、しゃがみこんで何かをやっているのを見つけた。

何してるんだろう?

気になった少女、は草の茂る坂を下って、少年に近づいた。

「調節が難しいな……」ぶつぶつと紙を持って呟いている少年。

「何してるの?」

少女が話しかけると、少年はびくりと肩を上下させてこちらを見た。

「だ、だれだテメー。知らねえ奴に話しかけんなって親から教わんなかったか?」

「うん。」

「一人でここにいて平気なのか?」

「うん。あれ?……わたし、何してるの?ってきいたと思う。答えてくれないの?」

全く聞く耳を持たないAに、少年は観念したようにため息をつく。

「実験してる」

「じっけん?そのとうめいなので?」

「おう。これ見ろよ」

少年はそう言うと、持っていたカバンからネームペンを取り出し、ぐりぐりと紙に黒い点を塗りつけた。

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長庚 - ぽぽぽさん» お言葉物凄く支えになります、更新頑張らせていただきます! (10月6日 16時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - うおおおおおお!更新頻度高くてすごい助かります!!普通に話作るのうますぎて吐きそう!!頑張れええ!! (10月6日 0時) (レス) @page39 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - ありがとうございますー!実は風邪ひいてしまってですね……体調には気をつけます!(*`・ω・)ゞ (10月2日 19時) (レス) id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽ(プロフ) - んふふふふふふ。何これ面白い…可愛い…。体調に気をつけて更新頑張ってください! (10月2日 17時) (レス) @page33 id: 84325108d2 (このIDを非表示/違反報告)
長庚 - マジモンの名無しさん» ありがとうございます!これからも作品の腕を上げて参ります! (9月28日 21時) (レス) @page29 id: 02c9f82314 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年9月12日 22時

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