万里の時を駆ける[Dr.STONE] (ページ10)

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一日で服を作りかける超スピードページ10

生物学者もどきとして、生き物を自分で殺すというのはなんともいえない行為だった。

しかし石化中は感情を殺しに殺していたので、今はそんな事どうでもいい、という思考に切り替わっている。

が、しかし解体は生々しい。

刃物がただの打製石器だから切れ味が最悪だ。

内蔵が色鮮やかで、大量の血が溢れる。

……気持ちの問題というか、物理的に吐きそう。

しかしこれで革が手にはいる。

「革というか…これは動物の体皮だから"皮"か」

これを洗って、脱毛して、鞣しをすれば"革"になる。

(そう、たった３つだ。なんて役不足なのか)

とか思って作業していたら、半日が過ぎた。

思ったより乾かすのに時間がかかってしまい、そもそも火をつけるのが一苦労だった。

私には全く体力がないので、何かしようと思っても人より時間がかかる。

「…でも、動物が1日目で罠にかかるだなんて幸運だからな、あんまりわがままは言えないね」

結局鞣しはその日では終わらず、夜を越すことになった。

パチパチと火の回りに火の粉が待っている。

昼にかかったホンシュウジカの肉を食べながら(塩もないので、味はなんともいえない)明日の計画を立てた。

明日は服を完成させて、もしまだ余裕があったらその辺を探索しよう。

もしかすると、私のように起き続けた人がいるかもしれない。

私と同じように既に石化を破って、活動している人がいるかもしれない。

「のかな…まぁいいか、今日は寝よう」

私は火に土をかけてて消し、目を閉じた。

もちろん、寝られる訳がなかった。