wake up ページ7
3700年目
(次は何にを復習しようかな。
じゃあ「ながら暗算」やるか)
もう大体何年たったかなんてわかりゃしない。
ぐちぐち復習してるだけ、なんでこんなことをしてるのか分からなくなった。
でも今私はやる事が欲しい中毒らしい。多分。
やることがないと、考える事がないと、きっと私は崩壊する。
やる事を探して、なんでもいいからやる事を、復習を、
(次は何をすれば…あぁどうすれば…!
思い付かない。どれもやり尽くして…楽しくない…
何にも魅力が湧いてこない…!どうしようどうしよう…)
その時だった。
ビシッ。
と音がした。
妄想でも何でもない、
音が、
私の耳で。
………!
いつの間にか、私は「自分の身体」を感じていた。
ビシッビシッ…。
何かが割れている。
私の思考と身体が、繋がっている感覚がする。
バリッ。
急に、光を感じた。
緑色の葉が見えた。ゆらゆらと、揺れていて。
とても、眩しかった。
「…………!」
私はゆっくり起き上がった。
辺りを見回す。
そこは一面、森といえるような緑がたくさん存在していた。
思ったより日光が眩しくて、目を細める。
自分の身体を見下ろす。
石が身体にまとわりついていた。
服も着てない。
それは時間の超過を表していた。
私はぽつりと呟いた。
「…。
目が…見える…。
三年間…いや、何千年間?見えなかったのに…。」
もう二度と見えないと思っていた。
私は目が見えている。
ちゃんと、生きてる。
………。
皆は、生きてるだろうか。
……………。
「…………皆は…」
私は立ち上がった。
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時