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原作通り過ぎて申し訳ないです ページ49

「クロスボウの時速200キロ超えてんだぞ……」

部長は刺さっているクロスボウの矢の先を眺めて言った。

「とってたね、バシって……」

一応、予期はしていた。霊長類最強の高校生という名前は誇張でも何でもない、事実だったようだ。

「最後の切り札だったのに……」

嘆いても効かないものは効かないのだからしょうがない。

「……………Aちゃん……」

「ん、」

杠がこちらをじっと見ていた。

しばらく私を見つめた後、目を白黒させて言った。

「って、あ、あれっ?Aちゃん?目が……えっ?私のこと……見えてるの?」

「えっ」

今気付いたのか。「見えてるよ。はっきりね」

「そっか……。起きたらAちゃん普通に目が治ってるの、何だか変な感じだね」

ふふっと、私と杠は笑い合った。

「おら起きろ!」

それもつかの間、部長は怪我人の大樹をガスガスと叩き起こした。

「ええっ!?大樹くん何日か寝かせとくって…」

「司の手前な!あんなんで潰れるタマじゃねぇだろなぁデカブツ!」

何て鬼畜。

「言うと思った……」

「ああ!もちろんだ!」そしてそれに応えるという大樹も中々すごい。

「うえ!?もう大丈夫なの?」

むくりと起き上がった大樹に慌てる杠。

「俺は頑丈にできている。元気があり余ってるくらいだぞ!」

まあ駄目と言ったところで、どうせ頑張ってしまうだろう。

「そっか…よかったぁ……」杠は安堵の声を上げた。

「にしても、司……本当にどうにかしないとね…」

私がため息をつくと、大樹がはっとこちらに反応した。

「そ、そうだ司だ!!司を止めなければ!!」

「おい待てデカブツ!!司相手に無理だってわかっただろ!行っても死ぬだけだろうが!」

また走り出そうとする大樹を、部長が腰ひもを掴んで止めていた。

私は腕を組んで考えた。

「どっちの言い分も分かるけど……じゃあどうする?」

部長は私の問いににやりと笑って答えた。

「んなもん一つに決まってんだろ。

文明を進めて、科学の武器を作る!」

続編に向けて→←大樹VS司



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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時

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