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全部言った ページ43
今、司と睨み合いが続いている。
相当やべぇ奴を起こしちまった。
司がいたからライオンで全滅ということにならなかった、というのは本当だが、これなら悪代官の方が100億倍マシだ。
さっきからAは俺たちの近くで、喧嘩はよそうと言いたげな感じでオロオロしている。
(いやでも、こいつも若者は助けてぇんだから、石化復活液のレシピを知るまで無茶はできねぇはずだ。
"洞穴の"、"奇跡の水"のことだけは死んでも隠さねぇと)
「おーい!!やったぞー!!千空ー!!」
そこへ、いつの間にかいなくなっていた大樹が、「杠用」と書かれた容器を掲げて走ってきた。
「たまってたぞ！"洞穴の"、"奇跡の水"が！今度こそ杠を復活させられるぞ！」
大樹が隠さないといけない言葉を二つとも一言でネタバレ喰らわせてしまった。
デ、デカブツ………余計な事を………
俺が今どんな顔をしているかは、雑頭の反応で何となく分かった。
Aも目が点になっている。
「その……奇跡の水ってのはなんだい？」司が口を開いた。
どうするか………。これ以上司に誤魔化しは効かない。
「………ここでチンタラご丁寧に説明するよりか実際見したほうが100億倍早ぇ」
俺は捨て身の覚悟で言った。
「ありがたく拝ませてやるよ。楽しい科学の人類復活ショーだ」
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作者名：長庚 | 作成日時：2023年8月29日 22時
