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本性 ページ42

「貝!貝!貝!貝!貝!貝!」

翌日、四人で海まで行った時だった。

大樹はひたすらに貝を集め、Aが少し離れたところでしゃがんで海を眺めている。

特に会話はないと思われた。

が、浅瀬にいた司が、ふいに何かを語りだした。

「このストーンワールドは…自由だ。貝なんて元々誰の物でもない。

海だって、土地だって」

「………………」急に何を言い出すかと思えば。

反応はしない。司は続ける。

「昔、一人の貧しい少年が手術をする妹のために貝の首飾りを作ろうとした。

妹は人魚姫が大好きだったんだ」司は一つ、貝を拾い上げた。

「そこへ、その場所の漁業権を持つこのくらいの中年男が現れた」

酒の臭いと共にね。と男の石像の前に立つ。

「貝を集めていた…いや、その男が言うには貝を盗んでいた少年は顔が変わるほど殴られたよ。

………………。

最期まで…妹を人魚姫にはしてあげられなかった」

ドッ、と鈍い音が鳴ったと思うと、俺の足元に、石像の頭部がゆっくりと転がってきた。

その音に気付いたのか、Aが一瞬だけこちらを見て、目を大きく見開いた。

俺は静かに言う。

「………わかってやってんだろうな司。

テメーは今、人間1人ブチ殺したんだぞ」

「わかってるさ、もちろん。

………千空、君は心の汚れた年寄りたちまで全員助けるつもりかい?

うん、彼らも最初はしおらしく感謝するだろうね」

司の顔から穏やかさが消えた。

「だが、文明が戻れば必ず老いた金持ちや権力者たちが、

そこは俺の土地だった、

家賃をよこせ、

税を払えと、また貧しい若者から未来を奪い取るだろう。

………もうそんな世界に戻しちゃいけない」

司はこちらに歩み寄ってくる。

「ここはストーンワールド。まだなんの汚れもない楽園だ。

純粋な若者だけを復活させて、

このまま誰のものでもない自然と共に生きていく。

人類を浄化するチャンスなんだ。君もそう思わないか?千空」

そう言いながら、司は新たな石像に手を掛けようとする。

「全っ然、1ミリも思わねえなあ」

俺はその手を止めながら淡々と告げた。

「俺はメカやら宇宙やらドラえもんやらに唆りまくりのテクノロジー大好き少年なもんでな、

科学の力で人類全員、もれなく助けてやるよ」

司の顔が険しくなるのがはっきり分かる。

しかし、横目でAが鋭い目で見ていた事には、気付かなかった。

*******

ほぼ原作通りですね(^_^;)まあそういうときもあるよね!!

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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時

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