楽しいクイズの時間 ページ40
俺たち四人はたくさん捕れた魚や貝を囲んで食している。
大樹はむしろ食べ過ぎたようで、満足そうに腹をさすっている。
「いやぁー!たらふく食ったなァ」
「魚が食べられるのがこんなに幸せだとは思わなかったな〜。司のお陰だね！」
未だにおかしい状態のAは薄く微笑んだ。
「………そうだな。
……んじゃあ楽しいクイズの時間と行くか！
科学文明にまず欲しい一番重要なモンはなんだ？正解者は100億点な」
「科学文明…一番重要…まず欲しい……
…………スマホか!?」
「いいな！スマホ！うん欲しいけどな！スマホ！
って何百万年ワープしてんだデカブツ!!」
「…………………」
司が大樹の回答に蒼白している。
「鉄………かい？」と、司も答えた。
「鉄も欲しいがまだ先だ。もっと便利なもんがある」
俺はAをちらりと見た。
Aは俺と目が合うと、にこりとして首を傾げた。
「私はまったく分からないなあ。答えは何なの？千空」
名前呼びにされるというのは、どうにも調子が狂う。
そして科学知識が富んでいるAが何も答えないのは予想外だった。
「……炭酸カルシウムだ」
「なるほど！例によって全然わからん！」
雑頭は言うと思った。
「石灰か!」司は分かったように頷く。
「ああ、そこの雑アタマでもわかる言い方で言うとそれな。グラウンドの白線引きだ」
それを聞いた大樹は、閃いた!という感じで指を指した。
「つまりその炭酸ナントカゲットのために、体育倉庫を探すんだな？」
「おおそれな！体育倉庫な！
あったらいいな!!3700年後のこの世界にな!!」
俺は盛大なノリツッコミを入れてやる。
「……………」更に蒼白になる司。
そしてそれを傍観するA。
「あははっ…!三人とも、コントしてるみたいだね……！」
Aが隣でおもしろ可笑しく笑っていた。
「おおー、面白かったか!?」大樹はAのノリに乗っているようだ。
「面白かったよ〜!!」
「二人とも、楽しそうだね」司も参戦しそうだった。
何故かAは大樹と妙に気が合うらしい。
「あ゛ぁ、分かったから次に進むぞ」
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作者名：長庚 | 作成日時：2023年8月29日 22時
