石化した。 ページ3
「…え…?」
声の方を振り向く。勿論何も見えないが。
「氷室…これは俺たち詰みじゃねえか…!!」
「何!?千空!どういうこと…」
それを言う前に、口が動かなくなった。
音も聞こえなくなった。
最初だけは落ち着いていたが、やっぱり結構混乱した。
何?どういう状況??
そうだ。状況をまず整理だ。
部長は、何か光を見ていたみたいだった。それから…急に何も聞こえないし、動けないし。なんでこんな…。
(…っ!!意識が…っ)
頭が引き伸ばされるようだ。何とか持ちこたえた。
真っ暗で、意識を持っていかれそうになるというのは恐怖だ。
しかし、今はとにかく耐えなければ。
(いつか元に戻るかもしれない。少し待ってみよう)
そう思って、私は頭の中で色々な思考を巡らせた。
2日が過ぎた。今、何も変わっちゃいない。
これはいつまで続く?
正直、ずっとこの凄く眠い、というか意識を奪われそうなコンディションで起きているのは、疲れる。
もう2日待っているが、再び音が聞こえそうな予感はない。
もう寝てしまおうか?
しかし今は死亡フラグがしているのだ。
今死ぬのはいけない。
まだやることはたくさんあるのだ。
皆と話したり、遊んだり植物の観察(とはいっても見えないが)をしたり…
私は生きなければいけない。
今は多分生きている。
考えよう。
これのあらゆる原因のパターンの推測、模索、対策。
もしまた動けるようになったらどうするか。
寝る暇はない。ずっと起きて、
生きるんだ。
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時