部長 ページ16
驚きに声も出ずに、小さく尋ねる。
男…千空はにやりと笑った。
「ククク…もう部長じゃねぇがな。概念ごとどっかにいっちまったようなモンだ。Aの副部長の名目も、残念ながら消えちまったっつうわけだ。」
名前で呼ばれた。
「まぁそして俺は晴れて部長でも何でもねぇ石神千空っつう訳だが…。
って……何泣いてんだテメーは…」
いつの間にか泣いていた。
私も気づかなかった。いつの間にか、すごく涙が止まらない。
3700年、初めて誰かに会えて話せた…。
「部長…」
「だから部長じゃねぇって…まあいいか。どうした」
「…抱き締めていい?」
私は何を言っているんだ…?
「あ゛!?この非常事態だってのに何をしろだ!?ンなことやって…」
「あははごめん。…冗談だよ」
実は少しして欲しかった。
が、部長はそんな奴だ。しょうがない。
「Aも…ずっと起きてたのか」
落ち着いた千空は下を向きながら言った。
「…うん」
「3700年もの間…何考えてた」
唐突な質問に戸惑った。
というか…
「3700年…?なんで…もしかしてずっと…数えてたの…?」
「あ゛ぁ。暦が分かんねぇと、"起きたとき冬でしたー"で詰むからな」
というと、千空はさっきのツリーハウスの方へすたすたと歩きだした。
なんとただそれだけの理由で3700年間も秒数を数える人間がいたとは思わなかった。
「でも…ズレは…」
私は千空についていきながら尋ねた。
「ねえ」
「即答、やっぱり部長はすごいね」
ツリーハウスの梯子の前に来たところで呟く。
「そうでもねぇ。俺の生活はギリギリだからな。人手が欲しかったところだ」
上がれよ、と部長が上ってから言われたので、不恰好ツリーハウスの中におもむろに入る。
中は広くなく、今まで部長が集めたであろうものがたくさん端に置いてあった。無駄がない。
部長は端に先ほど持っていた、集めていたものなどを置いた。
「っつうか俺の質問に答えてねぇじゃねえか?」
俺の質問?と疑問符を一瞬私は浮かべたが、そういえば「何考えてた」って訊いてきた気がするのを思い出した。
「ああ。何かって言われても…。今まで、私が生きてきた中で得た知識をひたすらに掘り起こすってことをしていただけ、だけ…だよ…」
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終わりが中途半端ですみませぬ…
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時