プロローグだよン ページ2
ある日急に、音が聞こえなくなった。
元々目も見えていなかったので、さほど焦らなかったことに驚いている。
今もずっと、静かで、動くことができない、そしてその概念もなくなっているようだ。
意識だけが保たれた状態。
それもこの状態は、すごく眠くなるのだ。
けど眠りたくない。
(もしこれが死亡フラグだったら…どうしよう、部長や大樹くんや、杠は大丈夫かな…告白寸前であんな急に…)
大樹くんは杠に告白すると言っていた。
「俺は5年越しの想いを、杠に伝える!」
廊下で科学部の部員達が何やら話していたのを、覚えている。
「フラれるに1000円」
「フルパワーでフラれるに100円」
「意外とフラれねぇに1万円」
「マジか!!」
「…部長、何してるの?」
声のするほうに声をかけると、手首を掴まれて引っ張られた。
「こっちで大樹が杠に告るっつうシーンを眺めてんだよ」
「そういえば言ってたね。でも大樹くんなら大丈夫じゃないかな」
「あ゛ぁ。見届けてやるかは自由にしやがれ。あんま見てるのもなんだ、俺はもう行く━━」
部長はぱたっと喋るのをやめた。
何かを言おうとしてる様子だ。
「?部長…?」
「……なんだ?あの 光━━」
*******
なんだあの光 は大樹のセリフですがまあ、お許しください
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作者名:長庚 | 作成日時:2023年8月29日 22時