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遠慮がちに江口さんが「えーと、彼女さん?」と尋ねてくるのに、しっかりと笑顔で「いえ全く」と答えるAさんに続いて、「違いますよ」と返した。
「色々ありまして、同居してるんです」
(江口)「へぇ〜……」
(花江)「そういえば歯ブラシ二個あった!!」
(西山)「よく見てますね」
しょーたんが「まじか」と確認しに行こうとするのを止めて、江口さんに「黙っててすみませんね」と謝って、花江くんに「ボリューム落として」と小言を言って、「西山さんの男前が霞むほどの美形の暴力」と呟くAさんに「聞き捨てなりません」と返して。
そんなカオスに全力対応をしているうちに、梅ちゃんが「あ、え、もしかして前言ってた隣人の人?」と尋ねてきた。
「あー、そう、そうです。隣人の人」
(斉藤)「あ!某隣人さんね!」
一同が盛り上がるのを他所に、Aさんは冷蔵庫に向かって何個もあるうちの一つのレモンサワーの缶を持ってきた。「これ宏太朗さんの?下さい」とねだっている彼女が持つそのお酒は江口さんが買ってきたもの。すかさず「いいですよ」と微笑んでいる江口さんに「あ、お兄さんのでしたか。すみません、いただきます」と返して、缶を開ける音が響いた。
「宏太朗さん乾杯」
「はぁぁ………、はい乾杯」
「なんですかその長いため息」
「また貴方のペースにもってかれてるのが不服なんです僕は」
「いいじゃないですか。長いものには巻かれておくのが是ですよ」
立ったままレモンサワーを飲んだ彼女は、「あ、美味しい」と言ってから僕を手招きする。招かれるがままに近づくと、貼り付けた笑みとはまた別の、下手くそな笑顔がそこにはあった。
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まほろ(プロフ) - morさん» 気付くのが遅くなってしまいすみません…。沢山褒めていただいて、私もモチベーションが上がりました(笑)これからもどんどん西山さんと一宮さんが仲良くなっていくので、是非完結までお付き合いください! (2021年12月21日 7時) (レス) id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
mor(プロフ) - 文章を書くのが上手すぎます…!!あとラジオの相槌の感じ(あの、とかを入れるタイミングとか)が絶妙すぎてめちゃくちゃ感情移入できます!!こんなに面白い小説久しぶりに出会いました、これからも応援しております!! (2021年12月18日 1時) (レス) @page21 id: 06bc4acfa5 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - きゃらめるかも。さん» 素敵なコメントありがとうございます〜!これから長い長い物語になりますが、ぜひお付き合いくださいませ! (2021年12月15日 7時) (レス) @page9 id: 0871b431d8 (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめるかも。 - めちゃめちゃ面白いです!!ゴキブリの話とか!笑、その発想はなかったのでビックリしました!これからも、お体に気をつけて頑張って下さい!😆 (2021年12月14日 14時) (レス) @page4 id: 242d71ebf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2021年12月14日 7時