仲間の始まり(弐) ページ22
「俺は鋼鐵塚という者だ。竈門炭次郎の刀を打った者だ。」
玄関先の鋼鐵塚と炭治郎の会話を小耳に挟みながらAは鱗滝に言う。
「あ、今日なんですね!日輪刀が届くの!
…そろそろ私も刀新調しないとダメかなぁ」
「新しい刀は時間がかかるからな。
相変わらず人の話を聞かん男だな」
「…ですね。全然炭治郎の話聞いてない。」
そんな炭治郎は鋼鐵塚に家にあがるよう必死に説得しているが、彼が顔を上げた瞬間驚いた様子を見せた。
鋼鐵塚がひょっとこのお面をつけていたからだ。
「んん?んんん?あぁ、お前"赫灼の子"じゃねぇか。こりゃあ縁起がいいなあ」
「いや俺は炭十郎と葵枝の息子です。」
「いやそう意味じゃねえ。頭の毛と目ん玉が赤みがかっているだろう。火仕事をする家はそういう子が生まれると縁起がいいって喜ぶんだぜぇ」
「…そうなんですか。知りませんでした…」
「こりゃあ刀も赤くなるかもしれんぞなぁ鱗滝。」
鋼鐵塚は炭治郎の頬を人差し指でぐりぐり。
鱗滝はそんな彼の謎の行動に驚いた様子も見せず彼の問いにあぁと答える。
そんな鋼鐵塚はやっと家にあがるが相変わらず日輪刀を語るのに夢中だ。
夢中になりすぎて鱗滝の隣に座っているAの姿に気づいていない。
うねうねと不思議な手の動きをしている。
「さぁ刀を抜いてみなぁ」
炭治郎は返事をして鋼鐵塚から受け取った日輪刀を抜いた。
ズズズと曇った音を立てながら炭治郎の持つ刀は漆黒に染まっていく。
「おぉっ」
「黒っ」
「黒いな…」
「黒いですね」
予想とは異なる日輪刀の色の変化に炭治郎以外の3人は少し残念そう。
「えっ黒いとよくないんですか不吉ですか」
「そういうわけじゃないけど…」
「あまり見ないな漆黒は」
ね?とAと鱗滝は目を合わせる。
一方鋼鐵塚は
「キーーーーーッ
俺は鮮やかな赤い刀身が見れると思ったのにクソーーーーッ」
頭を抱えながらそう叫び、ついには炭治郎に飛びかかり彼の頬を引っ張っている。
「いたたたっ危ない落ち着いてください何歳ですか」
「三十七だ」
鋼鐵塚の行動に伴わない三十七という年齢にAは驚く。
「えっ三十七?いろんな三十七歳がいますね…」
鱗滝も無言で頷いている。
「…なんだ知らん女がいるな」
鋼鐵塚は自分が来るよりもずっと前からいた彼女の存在をようやく認識した。
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時