★雫の石、またの名を星雲の雫 ページ16
レンside
目の前で繰り広げられる茶番劇に、おれとカリンははぁっとため息をついた。
くっだらねぇ···
と、思いつつも、熱を帯びた頬を冷ましたいと思っている。
鈍感恐るべしだな···
パッと、何気なくキラの方をみやると、キラがいなかった。
「···?」
少し、向こうの路地にしゃがんで何かを見ていた。
「キラ···?」
訝しげにキラの名前を呼んだ。
けれど、キラは何かにとりつかれたように、ずっとそのものだけを見ていた
気になって手元を覗き込むと、
「!?」
とても美しい色をした宝石を持っていたのだ。
『星雲の雫···!?』
レイは焦ったような声をして、キラの持っている宝石を見ていた(だろう。)
「なんだそれ?」
『星雲の雫······星のある空と、雲の間の空で生まれる結晶石のこと。
生まれる場所が珍しいから、その石に秘められる力は計り知れない。
ただ、その石はとてつもなく美しく、手にした者の願いを叶えるともいわれている。』
「便利じゃねーか。」
と、興味無さそうに答えると、
『バカっ!その石に願い事をすると言っても、あくまで夢を見せるだけなんだ!
つまり、人間の欲望を生みかねない!
とても危険なものでもあるんだ。
一歩間違えればそこから出られなくなるぞっ!』
「何っ!?」
そう声を漏らすや否や、おれはダッシュでキラの元へ走っていき、キラの手から星雲の雫をはたきおとした。
「え!?」
はっとなるキラ。こちらに戻ってきたか。と一安心したとき、
『痛いのう。ちと優しく取り扱ってくれんかの?』
と、鈴を転がしたような声が聞こえた。
「なんだ、てめぇ?」
『わらわは、星雲の雫、またの名を欲望の石の妖精、クンツァイ。』
そういって、姿を表したのは恐ろしいくらい綺麗な女だった。
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山形みるく(プロフ) - エリカさん» 私も大好きーっ! (2020年8月31日 17時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 山形みるくさん» みるちゃん大好き (2020年8月30日 23時) (レス) id: 4b8c4006dd (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - あんなつ♪さん» パチパチパチ☆←拍手の音 (2020年8月30日 10時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ユキカさん» やりぃっ!( ☆∀☆)めっちゃ嬉しいw (2020年8月30日 10時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - あんなつ♪さん» あ!そうそう!クンツァイトって宝石からとった名前なんだよ♪あんなつ、お見事っ! (2020年8月30日 10時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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