サマーキャンプ 16 ページ47
お化け屋敷は露店が立ち並ぶ一番奥にある。
回りにベンチが2つ置いてある。玉森がベンチに座っていて少し機嫌がなおり、葉月のところへ行く。葉月は平野とラムネを飲んでいた。
「いいもの飲んでるじゃん」玉森が葉月と平野の間に割って入る。
「もう、ないよ」いじわるそうな顔つきをする葉月のほっぺたを軽くつねる。
「ボク、瓶 置いてきます」平野が葉月の分も持ち、瓶をラムネ屋に置きに行く。そこで、岸と横尾に会う。2人ともスーパーボールすくいをやったようで小さいボールが2こずつ入ったビニール袋を持っている。
「おばけ、どうでした?」ビビりの平野が2人に感想を聞く。岸と横尾は声をそろえて、
「もう、イヤだよね」
横尾の目の前にキャンプ初日の時に料理で助けた韓国の3人娘の1人が現れた。お互いに立ち止まり、“あっ“と声が出る。横尾が浴衣姿に見とれていると、「この間は、本当にありがとうございました」
「いっいえっ、こちらこそ。キムチ、おいしかったです。…あれっ1人ですか?」
「2人とはぐれちゃったんです」
「じゃ、僕、一緒に探しますよ」
横尾が岸に“すまん“と言うように片手を上げて行ってしまう。ひとりになった岸は、射的屋が目に入る。100円を払って銃を持ち構えると隣りに藤ヶ谷も構えていた。
「わぁ、気がつかなかった、びっくりしたぁ」
「ごめん、ごめん」岸と藤ヶ谷、一旦 銃を下ろす。藤ヶ谷の横に真夜がいる。
「真夜、何 当ててほしい?」
「花火セットがいい」花火セットは一番上に置いてある。「よし 競争しようぜ」
岸のかたをポンと叩く。
「真夜、ごほうびは?」
「うーん、じゃあ、ハグする?」
「まじっすか?!!」
岸の目が大きく見開く。
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作者名:ふなパスタ | 作成日時:2020年4月12日 18時