検索窓
今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:3,472 hit

サマーキャンプ14 ページ45

この夏の流行りの柄の浴衣を着た苺加が、作ったくじを、みんなに引かせる。
「誰と誰がペアになるか?面白いでしょ?その人が運命の人だったりして」
キャピキャピと笑いながら冗談を言う苺加に悪気はないが、もしそれが本当だとしたら冗談とは言えなくなる。苺加の冗談を意外にもあこが真に受ける。
「3番だ」
北山は、あこが何番か気になりあこに駆け寄ろうとするとすでに、永瀬がいてくじを見せあっていた。どうやらペアになっているようだ。
「3番だれ?」
ぶっきらぼうな玉森の声に北山が振り向く。
「えっ、?!マジか?」
嘆く玉森に北山も、
「オレだって同じだっつーの」
葉月が玉森の様子を見て心配し、
「大丈夫?」
「もう、ヤダ。帰りたい」
北山とペアになったことを気の毒に思うが、おかしくて笑いたいけど 笑ったらにらまれるので我慢する。が目が笑っている。

2人並ばず前に北山、後ろに玉森。人が2人ぶん入る間隔を置き無言で進む。STAFFと表示してあるドアの前で、「あっ間違えちった」
仏頂面だった北山が笑ってごまかす。
「普通、間違う?お化け屋敷で、道 間違うってあり得ない」
キレ気味に玉森が小バカにした態度をとる。
「じゃあ、前行けよ」
「わかった、先行くワ」
暗がりでスタンバイしているアルバイトのお化け役のスタッフが2人の険悪な雰囲気のせいで出てこられないでいた。
玉森がポケットに手をつっこんで出てくる。
後からムスッとして北山も出てくる。

「エレナちゃんてお化け、得意なんだっけ?」
いつものニコニコ顔で聞く宮田。
「うふふふ。ホラー系は得意分野よ」
「ボク頼っちゃうね」
エレナの浴衣姿にキュンとしているのに褒めるタイミングを失う。「宮田くん浴衣、カッコイイね」エレナに先に言われてしまい、完全に言いそびれる。中に入りエレナの履いている下駄の音を鳴らしながら前に進む。曲がり角からアルバイトのお化けが勢いよく出てくる。この前の北山・玉森ペアをおどかせなかったのがあるせいか、かなり威勢がいい。そのためにエレナがぶつかってしまい、尻もちをついてしまう。
「大丈夫?エレナちゃん」
「う、うん大丈夫だよ」
宮田がエレナを起こす。
「君も大丈夫?ちょっと元気良すぎたみたいだね」宮田の気遣いにアルバイトのお化けがふたりに謝る。
「さっきまで気味悪かったけど、なんか全然怖くなくなっちゃった」
宮田の優しい対応にエレナの心が動く。

サマーキャンプ15→←サマーキャンプ 13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふなパスタ | 作成日時:2020年4月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。