ホワイトデー 2 ページ26
スリザリン男子寮
チョコの入った袋を胸元に置き、ベッドで仰向けになる藤ヶ谷。そこへ、玉森がやって来る。
「ずい分、大事そうにしてるね」
「うん?」
「チョコ」
袋を指で指す。
ベッドサイドから葉月からもらったチョコを取り、残りの2粒を一気に頬張る。
「オレ、あんまり抹茶って得意じゃないんだけど、これは食えるわ」
そりゃあ、彼女から贈られたものだから食えるでしょと思いながら玉森の顔を見て、口角を上げる。
「葉月ってさぁ、オレと似てるんだよね。だからなのかな、居心地がいいっていうか。自分でいられるっていうか、ここ(ホグワーツ)に来てよかったって思ったの、葉月に出会えたことだな」
藤ヶ谷がおもむろに袋からチョコを取り出す。
キャンディのように1つずつ包装されていて、手間のかかり様が愛情を感じさせる。玉森に1つ渡す。
「手作りかぁ、あっおいしい」
真夜の顔が浮かぶ。玉森の横顔を見て、
「そんなに好きなんだ」
「好きっ…ていうか、もう大好きだよね」
さらりと言う玉森をうらやましく思う。
さわやかにノロけておいて、気づくと寝仕度が済んでいる。
「おやすみ」
ベッドにもぐり込む。
「はやっ…おやすみ」
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作者名:ふなパスタ | 作成日時:2020年4月12日 18時