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クリスマス ライブ ページ3

会場は大入満員で盛り上がっている。
あこの隣はカップルで共通の友人がバンドで参加しているらしく声援を送ったり、手拍子したりしている。このカップルの友人バンドのあとにキムタクたちが登場する。
「こんばんワァ」
キムタクが、ぶっきらぼうに挨拶をしてタイトルを言うと、いきなり演奏が始まり、立て続けに3曲をやりきった。
観ているあこも歌っている北山も、いつの間にか緊張がなくなっている。
1バンド、5曲の割り当てになっている。
最後の1曲にいく前に、キムタクが、
「ありがとうごさいました。最後の曲なんですが、打ち合わせの時に、北山がこの曲、あっ今からやる曲ネ、どうしても、やらせてほしいというので、これにしました。実はぁ、ボーカルは永瀬だったんだけど風邪ひきやがって…」
ステージの袖にいる永瀬を手招きして呼び出す。ステージに立った永瀬は”スンマセン、ホンマに”と言うようにペコペコとメンバーに頭を下げる。観客の笑いをとる。
「ホント、3日前に決まったのよ。快く引き受けてくれたので、1曲ぐらい好きにさせてやろうということでネ」
永瀬がギターを渡しに来る。
「はい、それじゃあ、北山のソロです。」
キムタクたち、ステージを去る。
北山は、ギターを持ち、スタンドマイクを調整する。
頭をボリっとかいて、
「えっと…ずっと思ってることで…。言いたいんだけど、なかなか言えなくて。でも、伝えたくて。ある特別な人に聞いてほしくて、曲にしました。こんな大勢のいるところで…わるいな、オレのわがまま…」
“特別な人“と聞いた瞬間、ほとんどの人たちがあこに注目する。冷汗が背中に感じるあこ。
「(落ちつけ、落ちつけ)」
自分に言い聞かせるあこ。ぎゅっと目をつぶっていると、スローに弦が弾いた。
目を開けると完全にあこを見て歌い出す。

『初めて君から“スキダヨ“って言われた日
うれしくて 眠れなかった
なのに、ボクは君に愛をささやけなくて
でも 信じてよ
ボクの心は”愛してる”でいっぱいなんだ
だから2度めのキスのとき想いを込めた
君は、素直に受けとめてくれた
もう言えるよ
愛してる』

あこは、周りの視線と恥ずかしさに耐えられず、最後まで聞かずにライブハウスを出て行ってしまう。
北山は、歌い終わると、すぐにステージをとび降りて、ギターを持ったまま、あこを 走って追いかける。
ヒュー ヒュー とヤジがとびかい、リアルな演出に会場は一層、盛り上がる。

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作者名:ふなパスタ | 作成日時:2020年4月12日 18時

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