【男主】望まぬ明日【歌い手】

今日12 ページ13

Aside

目の前でころころと表情をかえるluz

寝る前に、ここまではっきりとした会話をしたのは初めてじゃないだろうか

そう思うと彼の気持ちもわからなくもない


なんでそらるたちでさえ、知ることのなかった徹夜のことをluzが知っているのか

答えは簡単

俺がluzの前で倒れたから

2徹したあとに外で会ったのが間違いだったんだ

案の定バレた

それからluzが定期的にきてくれている

年下なのに……！年下なのに……！！

ただ……あくまでluzが知ってるのは『明日が来るのが怖い』というものだけ

どうしてか理由は言ってない

聞かれてないしね



luz「A！録音しよ！」


A「ん？？」



あまりに唐突な提案に盛大に首を傾けた

そんな俺を見て彼はずっと催促をしてくる

なんだよ、くそ可愛いな



A「俺はみんなの何倍も練習しないと、リスナーさんに聞かせられるような音源とれないの！」



知ってるだろ？と凄めば、それは徹夜してるときやろ？と返されてしまった

違わないけど違う

確かに徹夜してるときはまったくと言っていいほど、進まない

だけど！元々歌が得意ではないのに、こだわりはあるからますます進行がおそい

歌い手に向いてないって言われることもあるけど、それでも歌っていたいんだ



luz「じゃあさ、今日、練習しよ！徹夜してないから進むよ！録音は"明日"やろ？」


A「うーん……わかった……"明日"な」



とことんluzは俺の扱いがわかってる

嫌いな明日に予定をいれてくれる

俺が明日を楽しめるようにしてくれている

それがわかるから時々申し訳なくなるんだ……



A「なぁ、luz」


luz「ん？寝る？」


A「いや……わざわざありがとな……luz忙しいのに……定期的にきてくれて……」


luz「いいんよ！俺が勝手にしてることやし、天月くんもいるし！」



な？と言う彼はやっぱり俺なんかよりも男らしくてかっこよくみえた

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