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「ありがとうなんて、こっちの台詞やで、Aちゃん」
既に意識の落ちてしまった彼女を腕の中にぎゅっと抱きしめ、崖の端まで体を引き摺っていく。
もう二度とあのきらきらと僕の話を聞いてくれる可愛らしい天使の姿は見れないが、そんなことより、僕達は永遠を手にしたのだ。
これで、僕らはずっといっしょに、幸せ。
"でもきっと、貴方の隣に私は居られないし、許されない"
｢ん、大丈夫。そんなもん、関係ない｣
記憶の中の彼女の不安げな顔と目の前のあどけない顔を比べると、思わず口角が上がってしまう。
………あぁ、幸せ者やなぁ、俺。
死んでしまおうかとも思えた日々に、光を、希望をくれたのは間違いなく彼女、A。
彼女は誰も聞こうともしなかった俺の話を真剣に聞いてくれ、俺のことを褒めてくれた。
もうそれだけで良かった。
そこからは、どんどんAちゃんに惹かれていって。
そして、どうにかして彼女と未来を過ごす方法は無いかと考えた末が、これ。
拒絶される恐怖もあったけど、杞憂だったようだ。幸せそうなAちゃんの顔を見て、安堵した。
あれだけ余裕ぶってたくせに、ダサいことだ。
あぁでも、彼女に言えば可愛い笑顔を見せてくれるかもしれない。
そんなことをぼんやりと考えながら、月を映して揺らめく水面に一切の迷いなく彼女を抱いたまま飛び込む。
頭から落ちていく感覚は、腕の中のAの存在があるというだけで幸せに包まれたものとなる。全く不思議なんかじゃない。
冷たい水の感触があったと認識した瞬間、自己と世界の境界が消えた。
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メイナード(プロフ) - 天の河さん» 天の河様、コメント有難うございます。心中をはじめとした愛故の行動というものは、いつだってどう暴走するか予想の出来ないものですが、それが綺麗で、幸福であったならそれに越した事は無いと思います。閲覧有難うございました、どうか良き日をお過ごし下さい。 (2021年8月15日 19時) (
レス) id: f7c0eb2159 (このIDを非表示/違反報告)
天の河(プロフ) - 著名な方しか居ない合作ともあって、全てのお話が綺麗で、読んでいてとても楽しかったです。心中は個人的にとても大好きなので幸せです。grさんのお話と、馬鹿なshaさんのお話が特に好きです。もう大好きです。ありがとうございました。 (2021年8月15日 16時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：企画参加者（午後） | 作成日時：2021年8月15日 12時
