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私が鬱くんに与えてもらった光は、初めて会った時からそれは眩むほどにまばゆかった。
”何してんの、君。こんな時間に、こんなとこで”
“ん、家名は名乗らんといて？ほら、知らんかったらお互い気にするもんも無いやろ”
”なんも考えんでええねん。Aちゃんが思ったこと、そのまま喋ったらええんよ”
”別に無理して敬語外さんでも！Aちゃんのペースで！”
”そ。友達。ふふ、難しく考えんとって。Aちゃんが楽しく喋れるってのが一番”
”確かにしんどかったけど、僕、生きとって良かったわ”
”ここでAちゃんに出会えてほんまに良かった”
”なんかな、Aちゃんと話してると救われんねん”
”ほんま？Aちゃんも？…ふふ、奇遇なんか運命なんか分かれへんなぁ”
”……なぁ、また、会いたい。って言うて、迷惑、なる？”
”ふは、嬉しいこと言うてくれるやん。…んじゃ、約束な。ええと、今が───”
”───十一時三〇分、次の満月にこの場所で、また、会お。誰にも内緒で”
…懐かしいなぁ。いつまで経っても、鬱くんとの初めての会話は忘れられない。
それくらい、私の中での彼の存在というのは大きいのだ。なんて。
『─────ありがとうね、話、いつも聞いてくれて』
｢んー？お互い様やん！そんなん｣
そんなん言うたら僕やってAちゃんに感謝しきれんわ、と笑う鬱くん。
「というか、急にどうしたんよ」
『ちょっと、昔のこと思い出してた』
「昔ってどのくらい昔？初めましてのとき？」
『そうそう。あの時から私、鬱くんにずっと救われてるなぁって思って！』
「お、まじか。…いやぁ、恥ずかしいわ。その頃から僕、Aちゃんのこと好きやったからなぁ。一目惚れってやつ？」
『……え、ほんとうに？』
「噓ついてどないすんの」
少しだけ照れたように笑う鬱くんに、私もだよ、と口を耳元に寄せて笑って告げると、Aちゃんも僕のこと大好きやん、なんてさらに幸せそうに笑みを深めた。
そうこうしているうちに、あっという間に時間は過ぎる。あまり長い時間居すぎると流石にバレてしまうし、そろそろお別れ。
でも、しっかりと次の約束は結ぶ。それが果たせるかどうかは分からないけど、私達には確かに次がある。まだ。
そうして、慣れた名残惜しさを胸に彼に手を振った。
そして私もこれまた慣れきった道を小走りで駆ける。さぁ、早く帰らなくては。
誰にもバレない内に。
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メイナード(プロフ) - 天の河さん» 天の河様、コメント有難うございます。心中をはじめとした愛故の行動というものは、いつだってどう暴走するか予想の出来ないものですが、それが綺麗で、幸福であったならそれに越した事は無いと思います。閲覧有難うございました、どうか良き日をお過ごし下さい。 (2021年8月15日 19時) (
レス) id: f7c0eb2159 (このIDを非表示/違反報告)
天の河(プロフ) - 著名な方しか居ない合作ともあって、全てのお話が綺麗で、読んでいてとても楽しかったです。心中は個人的にとても大好きなので幸せです。grさんのお話と、馬鹿なshaさんのお話が特に好きです。もう大好きです。ありがとうございました。 (2021年8月15日 16時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：企画参加者（午後） | 作成日時：2021年8月15日 12時
