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・・・
アズ「ふふ。すべて計画通り」
某自称神のような歪な笑みを浮かべるアズール。まさにヴィランである。
アズ「ヴィルさんにAさんのことを耳に入れることで気に入っているAさんを着飾ることは間違いなし。そこでお詫びとしてラウンジに来てもらい、また噂を流すことで集客が見込める！」
アズ「ラギーさんに来てもらうのもAさんを容易に招くための手段。これくらいの出費、痛くも痒くもない」
アズ「それになにより、Aさんが来ることであの双子の仕事振りが大変良くなる！！こんなにもメリットしか連れてこないなんて……Aさん、まだまだ使える……」
寮長室からは静かな笑い声が漏れ出ており、前を通ったオクタヴィネル生は恐怖を感じた。
・・・
ヴィル「アイラインはこれくらい引いたって問題ないわ。リップも……この色ね」
ルーク「オーララ！益々美しくなるね！」
普段や、リクルート中とも違うメイクが次々と施されていく。
『……遊ばれてる』
ヴィル「バカね、綺麗にしてあげてるのよ。これじゃ、あっちのチークがいいかも知れないわね……エペル、取って頂戴」
エペル「はい…！」
Aがポムフィオーレに捕まったと聞きつけたエペルが(ユウの指示で)途中合流し、ヴィルの手足となって働いている。
ルーク「ああ、Aくんはなんでも似合うね。これならヴィルにも引けを取らないかも知れない……」
そう言うルークの細められた目の奥は、まるで獲物を狩る目だ。
ヴィル「え、ええ。正直ここまで化けるとは予想外だったわ……」
メイクを施した当人のヴィルでさえ、Aの伸び代に驚いている。
ルーク「ほら、エペルくんもご覧」
エペル「え？」
ひたすらメイク道具の調達に走り回っていたエペルは呼び止められ、Aの変貌ぶりを目の当たりにする。
エペル「た、たげ…めごぇ…」
思わず方言で出てしまう程に。
言葉の意味はわからずとも、彼の紅潮した顔で予想はできる。Aは癖で少し微笑んでから、エペルに向けていた瞳を鏡に戻す。
『思ったよりナチュラルな仕上がりでびっくりです。あんなにベタベタ塗ってたのに』
ヴィル「下品な言い方しないでちょうだい」
鏡越しに腕を組むヴィルに話しかけるが、目が合った瞬間一度瞳が揺れ、少し見つめ合った後、目を伏せた。
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作者名：いす | 作成日時：2022年2月7日 18時
